特集:Eclipseで始めるiアプリ――コード支援編dev Java(1/6 ページ)

統合開発環境のフレームワーク「Eclipse」は、さまざまなアプリケーション開発で使われている。この特集では、NTTドコモのケータイ上で動作するiアプリ開発環境として、Eclipse上の高レベルAPIプログラミング手法を解説しよう。

» 2004年08月31日 22時49分 公開
[きしだ なおき,ITmedia]

 dev Java特集「Eclipseで始めるiアプリ」の第2回目では、Eclipseを基盤とするiアプリ開発環境の構築方法と、簡単なサンプルコードを挙げて解説しました。今回は、開発手順のステップアップとして「高レベルAPI」の利用と、実際に開発を行う際にEclipse利用による効果的な機能、その利用方法について具体化します。実際のサンプルを追うことで、手に馴染む開発環境に仕上げることが目的です。

 今回の、特集第3回目のポイントは、高レベルAPIを利用するiアプリを題材にして、Eclipseのコーディング支援を行う各種機能の理解です。Eclipseやiアプリ環境の基礎情報は省いているため、初めてこの特集を読む人やそれぞれの基礎から学びたい人は、第2回目や、汎用的なEclipse特集「いまから始めるEclipse−Windows、Linux対応機能ガイド」から読み始めると理解しやすいでしょう。

 また、基礎は理解しているので手早く取りかかりたい場合には、第2回目の中盤から読み進めるとよいでしょう。

見 出 し 一 覧
1. 高レベルAPI利用で基礎が理解できる
2. インタフェースの実装にはクラスを用意
3. 処理記述のはじめ
4. HTMLLayoutである程度の表示調整が可能に
5. Eclipseならではのリファクタリング機能が効果的に働く
6. リファクタリング利用で頻度が高い変数名変更
7. 共通処理をメソッド抽出する
8. メソッドを展開するインライン化
9. 記述中にJavaDocドキュメントを参照する
10. Eclipse 2.1へのJavaDoc組み込み方法

高レベルAPI利用で基礎が理解できる

 高レベルAPIとは、用意されたコンポーネントを使って入力画面を構築するためのアプリケーションインタフェースを示しています。描画処理やキー入力処理を気にせず処理記述ができるため、高レベルと呼ばれています。そうとはいえ、容易さの交換条件としての見栄えに自由度はなく、画面のカスタマイズはほぼ不可能です。このため、インタフェースを重視する開発では実用的でなく、利用するシーンとしては、簡単に情報入力を担うiアプリを作成したい場合や、プログラム容量が非常に限られている場合です。

 今回の解説は、第1回目で解説したプログラムを変更して話を進めていきます。プログラムを残しておきたい場合などは、第2回目の手順を参考に、新しくプロジェクトを作成してください。

インタフェースの実装にはクラスを用意

 高レベルAPIでは、ボタンが押された場合やソフトキーが押された時の処理など、必要なものを記述するためにインタフェースをimplementsしたクラスとして用意する必要があります。

 ここでは、メインクラスであり唯一な「FirstApp」クラスにこれらのインタフェースをimplementsします。なお、ボタンが押された時に処理記述するためのインタフェースは「ComponentListener」であり、ソフトキーが押された際の処理を記述するためのインタフェースは「SoftKeyListener」です。

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