よりスマートに ── Citrix幹部がアクセス戦略の将来を示す(1/2 ページ)

フロリダ州オーランドで開催中の「Citrix iForum 2004」は2日目を迎え、午前のテクニカルキーノートでマズーリ上級副社長が「アクセスインフラストラクチャ」の将来を語った。

» 2004年10月07日 20時13分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 米国時間の10月6日、フロリダ州オーランドで開催中の「Citrix iForum 2004」は2日目を迎えた。午前のテクニカルキーノートでは、トニー・マズーリ上級副社長が「アクセスインフラストラクチャ」の将来を語った。彼がプロダクトとデマンドマーケティングの責任者として同社に招かれたのはわずか9カ月前。今回の年次ユーザーカンファレンスは彼のお披露目でもある。

入社わずか9カ月だが2日目のキーノートを任されたマズーリ氏

 彼は「かつてわれわれが初めてクルマを買ったときのことを思い出してほしい」と顧客らに語り掛けた。

 数十年前、クルマはA地点からB地点に移動する輸送手段に過ぎなかった。しかし、今やどうだろう? 用途別に細分化も進んだ。DVDやゲームを楽しんだり、カーナビも装備されている。どんどんインテリジェント化が進み、どこかに不具合の予兆があれば、自動的にサービスセンターへ知らせてくれる。もはやボンネットを開ける必要もない。

 「しかし、ここでのポイントは、これらの機能性が十分に統合されていなければならないということ」とマズーリ氏は話す。

 初日のオープニングキーノートでもマーク・テンプルトン社長兼CEOによって、Citrixが提供していくアクセスインフラストラクチャの「8つの機能」の概略が説明されているが、マズーリ氏はデモを交えながら、そのうちの一つで将来の「Citrix MetaFrame Access Suite」に盛り込まれていく「SmartAccess」機能の強化について時間を割いて紹介した。

 Citrixは2003年3月、アクセスインフラストラクチャ構想をぶち上げ、その後のiForum 2003では単なる「サーバベーストコンピューティング」のベンダーから「アクセスインフラストラクチャ」のベンダーへの脱皮を宣言していた。今年5月には日本市場でもMetaFrame Access Suiteを発表し、セキュアで柔軟なアクセス戦略を本格展開している。

脈絡に応じたアクセス制御

 SmartAccessは、いつでもどこでも、どんなデバイスやネットワークでも、ちゃんと脈絡に応じて適切な情報にアクセスできる機能のこと。そのためには、ポリシーベースのアクセス制御だけでなく、デバイスをチェックし、その結果によってはアクセスを制限する機能も備わっていなければならない。

 デモで見せたアクセスシナリオは2つ。最初は、社内に配備され、システム部門の管理下に置かれているデバイスから社員がアクセスする場合だ。SmartAccess Agentがマシンをチェックし、管理下にあるものなので、ロールに応じてERPやCRMへもアクセスできるし、文書をローカルにコピーすることも許されるかもしれない。

 しかし、同じ社員がインターネットカフェのマシンからアクセスしたとしよう。2つ目のシナリオだ。

 SmartAccess Agentは、管理下にないマシンであることを検知し、ERPやCRMへアクセスできないように制限するほか、文書もWordによって編集できるが、保存は中央のサーバにしか許されない。単なるロールベースのアクセス制御ではなく、デバイスに応じたきめ細かなアクセス制御の一例といえる。

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