本格開幕した「Citrix iForum 2004」で、テンプルトンCEOは、同社が提供するアクセスインフラのコアとなる8つの機能について概略を説明し、今後、開発や買収によって追加される製品やサービスは、これに沿ったものになるとした。
「次の革新の波は“Access Suite”だ」── アクセスインフラストラクチャソフトウェアのリーダー、Citrix Systemsのマーク・テンプルトン社長兼CEOは年次ユーザーカンファレンスで2900人の顧客やパートナーらに継続的な革新を約束した。
フロリダ州オーランドで米国時間の10月5日に本格開幕した「Citrix iForum 2004」で、CitrixのテンプルトンCEOは、同社が提供するアクセスインフラストラクチャの核となる8つの機能について概略を説明し、今後、開発や買収によって追加される製品やサービスは、これに沿ったものになるとした。
Citrixは2003年3月、アクセスインフラストラクチャ構想をぶち上げ、その後のiForum 2003では単なる「サーバベーストコンピューティング」のベンダーから「アクセスインフラストラクチャ」のベンダーへの脱皮を宣言していた。今年5月には日本市場でも「Citrix MetaFrame Access Suite」を発表し、セキュアで柔軟なアクセス戦略を本格展開している。
テンプルトンCEOがiForum 2004で概略を説明した8つの機能は以下のとおりだ。
先ず、テンプルトンCEOは、展示フロアのCitrixブースでも大きなスペースが割かれた「SmoothRoaming」を取り上げた。デバイスや場所、ネットワークを超えて一貫性のある、柔軟なアクセスを提供するもの。例えば、医師がデスク、病室、ナースステーションと移動しても、ワークスペースが彼を追いかけてくれる。微弱無線を利用したEnsure Technologiesのセキュリティ管理システム「XyLoc」(ザイロック:国内販売代理店は兼松コミュニケーションズ)と組み合わせることで、医師が端末から1メートル離れると自動的にログオフされ、移動先で別の端末に近づくと今度は自動ログオンさせることもできる。タイムアウトしたアプリケーションにもCitrix MetaFrame Access Suiteの一部であるMetaFrame Password Manager 2.5によって自動的に再ログインしてくれる。もちろん、移動前のセッションはそのまま保持されるため、移動先でもすぐに仕事を継続できるという。
SmartAccess機能については、2日目のテクニカルキーノートでデモが予定されているため、詳細は別記事に譲るが、テンプルトン氏がそれと並んで多くを語ったSecure by Designについて特にここでは取り上げる。
後付けのセキュリティが心許ない例は幾らでもある。デザイン段階からセキュアな製品でなければならないのは言うまでもないし、そのアプローチも多次元でなければならない。
テンプルトン氏は、そのセキュアな仕掛けを順に説明した。先ず、アプリケーションを中央に集め、次はポリシーベースでアクセス制御をかける。3番目は情報そのものではなく“画像”しか端末に送らないこと。もちろん、これらの送信も暗号化される。そして、最後にアプリケーションへの入り口はMetaFrameひとつに絞り込み、RSA SecureIDやXyLocといった効果的な認証ソリューションでガードする。
「多次元にわたる機能を組み合わせることによって厳格なセキュリティ要求にもこたえられる」とテンプルトン氏。
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