ユビキタスID vs EPCグローバル月刊コンピュートピア(3/4 ページ)

» 2004年11月24日 10時57分 公開
[岡崎勝巳,月刊コンピュートピア]

 次にucodeに関連付けられた情報を提供する役割を担うのが2だ。商品にまつわる各種の情報が扱われることから、2は商品を提供する企業が設置することになる。3は特定のucodeにまつわる情報がどの製品情報サービスサーバで提供されているのかを教えてくれるものだ。インターネットにおけるDNSと考えればわかりやすい。そして、それらの間での情報のやり取りは、PKIをベースとした暗号・認証機能を備えるeTRONを用いて行われることが想定されている。

 これにより、悪意を持つ第三者の情報への不正なアクセスを防止することが可能になる。では、具体的にはどのようなプロセスで利用者は情報を取得するのか。その流れを追うと、1.まずユビキタスコミュニケーターがIDタグからucodeを読み取る、2.ユビキタスコミュニケーターがucode問題解決サーバに対して、製品情報サービスサーバのIPアドレスを問い合わせる、3.製品情報サービスサーバが製品情報サービスサーバのIPアドレスを通知する、4.ユビキタスコミュニケーターが製品情報サービスサーバにアクセスし、情報を取得する――となっている。

 バーコードに代表される既存システムの情報を使う場合には、ucode問題解決サーバは既存のコード体系を管理している既存ID解決サーバのIPアドレスをユビキタスコミュニケーターに通知し、既存ID解決サーバが製品情報サービスサーバのアドレスを通知する。つまり3と4の過程に既存ID解決サーバの処理が入るだけなのである。

図1.ユビキタスIDの概念図(上)と図2. Auto-IDのシステム概念図(下)

 これに対し、EPCグローバルでは、以下の3つの技術がポイントとなる。1.Savant、2.PML(PhysicalMarkupLanguage)サーバ、3.ONS(ObjectNameService)サーバの3つだ。(図2参照)

 1はリーダー/ライターに接続されているハードウエア上で動作するソフトウエアだ。リーダー/ライターの制御のほか、タグに関連付けられた情報の取得・更新などを行う役割を担う。タグに関連付けられる情報を提供するのが2であり、特定のEPCにまつわる情報を提供しているPMLサーバを判別するのが3だ。1がユビキタスコミュニケーター、2が製品情報サービスサーバ、3がucode解決サーバにそれぞれ相当する。

 EPCから情報を取得する仕組みも良く似ている。SavantはタグのEPCを基にONSサーバにPMLサーバの位置を問い合わせ、その結果得た情報からSavantはPMLサーバにアクセスするのである。

 もちろん細かな部分に違いはある。そのひとつと言えるのが、Savantが階層構造を持てる点。いくつかのSavantの上位にそれらを束ねるSavantを設置できるのである。(図3)

図3。Savantのイメージ

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