NetAppのファイルシステム「WAFL」を開発し、創設者の一人であるエンジニアリング担当エグゼクティブバイスプレジデントのデイブ・ヒッツ氏もステージに立ち、テクノロジーとマーケットの交わるところとして、NetAppの技術方針の正しさを訴えた。
まい進するストレージ・グリッドでは、昨年買収したSpinnaker NetworksのSpin OS技術とData ONTAPの技術統合を急いでいるが、これが実現すれば、ビジネス上の課題に対してアプリケーションという上位から対応していくだけでなく、最下位にあるストレージから柔軟性を持たせるというアプローチも可能になるという。
抽象化したユーティライゼーションレイヤが入ることで、ストレージリソースをシングルプールとして共有でき、一元的な管理が可能となり、ストレージインフラ自体を替える必要がなくなるからだ。
最新のOS「Data ONTAP 7G」では、ボリュームを動的に変更できる機能を備えた。その「G」が現すようにストレージ・グリッドへ向けた方針を明確にしてきている。今後は本格的にSpinnakerの技術と取り込み、ストレージ・グリッドを実現させていくことになる。Spinnakerは、グローバルネームスペースの技術を持つほか、クラスタリング技術に優れる。スケールアウトで多くのストレージをグリッド化するためには欠かせない技術だ。
ちなみに、ストレージ・グリッドの詳細を別セッションで説明したシニアプロダクトマネジャー、ラビ・パーササラシー氏によれば、2006年末までに段階的に統合を終える予定だと話す。
また、ヒッツ氏はiSCSIやATAなどにも言及し、同社がサポートしてきた技術の市場での有望性をアピールすることも忘れなかった。
一連のプレゼンを締めに登場したトム・メンドーサ社長は、「最近私を悩ませているのは、NetAppにとってよいニュースがありすぎることだ。もう市場には、ストレージに本気で取り組むベンダーは、EMCと私たちしかいない」と語り、今後の成長にも自信を示した。
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