PeopleSoft買収はお預けだが「11i.10」の新機能を売り込むウォール執行副社長Oracle OpenWorld 2004 San Francisco Report(1/2 ページ)

Oracle OpenWorld 2004 San FranciscoでPeopleSoft買収合意のビッグニュースが期待されたが、再び足踏み。それでもウォール氏は11i.10の新機能を売り込んだ。

» 2004年12月07日 19時11分 公開
[ITmedia]

 カリフォルニア州サンフランシスコで開催中の「Oracle OpenWorld 2004 San Francisco」で米国時間12月6日、夕方のキーノートにアプリケーションを担当するロン・ウォール執行副社長が登場した。Oracle OpenWorldは、これまでは別々に開催されていたテクノロジー(Oracle Database、Oracle Application Server)とアプリケーションのカンファレンスを統合したもの。既にロンドンや東京、上海では先行していたが、米国では初めての開催となる。

夕方のキーノートに登場したウォール氏

 Oracle E-Business Suiteの最新版、11i.10の出荷が始まったばかりということもあり、「最大のニュースはPeopleSoft買収合意か?」と期待されたが、1株24ドルでの買収提案が改めて拒否され、18カ月に及ぶ泥仕合はさらに混迷を深めている。

 オープニングセッションのあと、プレスQ&Aセッションに臨んだチャールズ・フィリップス社長は、「PeopleSoftの株主の8割は(Oracleに)売りたいと考えているのではないか。不動産と同じだ。家を売りたい人はできれば早めに売りたいはず。こうした売却は純粋なビジネス行為であり、企業は経営者の所有物ではない」と期待感を話した。

 しかし、現実の話となると、「12月中旬、デラウェア衡平法裁判所の(レオ・ストライン)判事と会い、ポイズンピルに対する反論を聞いてもらうことになっている。その後は司法の判断待ちとなる」という既に知られている話に終始するしかなかった。

フィリップス氏は「PeopleSoft株主の8割は売りたいはず」と話すが……

 それでもウォール氏は、Oracle E-Business Suite 11i.10で追加された特定業界向けの機能や業界横断的な機能のハイライトを紹介、さらに新バージョンに組み込まれた「Daily Business Intelligence」機能もステージでデモしてみせた。

パッケージ化されたインテリジェンス

 「従来型のビジネスインテリジェンスは、トランザクションの詳細データからサブセットを抜き出し、別のデータウェアハウスを構築する。こうしたやり方では、常に新しいトランザクションが発生するため、永久にデータの移動が終わることはない」とウォール氏。

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