PeopleSoft買収はお預けだが「11i.10」の新機能を売り込むウォール執行副社長Oracle OpenWorld 2004 San Francisco Report(2/2 ページ)

» 2004年12月07日 19時11分 公開
[ITmedia]
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 Oracle E-Business Suiteでは、トランザクションデータベース内にサマリーデータを置き、常に最新の状態が保たれるほか、すぐにドリルダウンで詳細情報も参照できる。

 しかも、ウォール氏が「パッケージ化された(ビジネス)インテリジェンス」と呼ぶように、Oracle E-Business Suite 11i.10では売上管理、見込み客管理、マーケティング管理、人事管理、経費管理といった各種モジュールに合わせ、約230のKPI(主要業績指標)が設定済みだ。管理ポータルページは、いわゆるロールごとのダッシュボードと呼べるものに仕上がっており、わずか数週間で使い始められるのが大きな特徴だ。

 ステージでは、経費管理を担当するマネジャーのダッシュボードもデモされた。経費を多く使っているトップ10リストがスクリーンに映し出され、何のために支出したのか、だれが承認したのかが、簡単なドリルダウンで追跡できてしまった。来場者の多くが身に覚えがあるのか、会場も大いに沸いた。

 Daily Business Intelligenceは、Oracle Application Server 10gの機能が利用されている。このほか、ウォール氏がOracle E-Business Suiteの新機能として紹介したインテグレーション機能もやはりOracle Application Serverのコンポーネントだ。Oracle Database Serverとの統合はもちろんだが、Oracle Application Serverとも緊密な統合が進んでいることをうかがわせる。

 今月後半に出荷が始まるOracle Application Server 10g R2では、XML文書と業界標準のプロトコルをサポートしてB2B統合機能が強化されるほか、強力なルーティングとトランスフォームのエンジン、そしてさまざまなアダプタが用意され、ほかのエンタープライズアプリケーションとの統合も進む。BPM(Business Process Management)やBAM(Business Activity Monitoring)の機能も追加されるという。こうした新しい機能は、一貫性のあるインフラとして緊密に統合されているため、自ら統合作業を行う必要はなく、すぐに使い始められるはずだ。

 「11i.10だけで7000人年の開発リソースがつぎ込まれている。Oracle E-Business Suiteの機能を最大限に活用してほしい」とウォール氏は売り込んだ。

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