「インテグレーションがビジネスを変革する」とOracle幹部Oracle OpenWorld 2004(1/2 ページ)

2日を迎えたOracle OpenWorldで、Oracleは10g Release 2ファミリーを発表した。Application Serverを担当するクリアン上級副社長は「過去最大級の機能強化」と胸を張った。

» 2004年12月08日 16時58分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 米国時間12月7日、カリフォルニア州サンフランシスコは前夜の雨を引きずり、冷え込んでいる。2日目を迎えた「Oracle OpenWorld 2004 San Francisco」は、DellやIntelによるキーノートが組まれているものの、メインホールではOracleの登壇者は予定されていない。3日目午後にラリー・エリソンCEOのキーノートを控え、嵐の静けさのようだ。

 とはいえ、Oracle Database 10gやOracle Application Server 10gといった、一連のテクノロジー製品群のRelease 2が発表され、プレス向けのブリーフィングも行われている。

 初日、アプリケーションを統括するロン・ウォール執行副社長のキーノートでも多くの新機能が先行して紹介されていたが、Oracle Application Server 10g Release 2は、SOA(サービス指向アーキテクチャ)のための基盤として大幅な機能強化が図られている。Application Serverを担当するトーマス・クリアン上級副社長が「過去最大級の機能強化」と言うのもあながち誇張ではない。1800人年の開発リソースが投じられ、400を超える新機能が追加されているという。

プレス向けブリーフィングを行うクリアン氏

BPM機能とBAM機能を盛り込む

 中でもクリアン氏が時間を割いて強調したのは、SOA機能だ。

 流行語ともいえるSOAだが、考え方自体は以前からある。アプリケーションをモジュラー型サービスの組み合わせとして構築することで、ビジネス環境の変化にシステムが迅速に対応できるようになる。Oracle Application Server 10gでは、いわゆるビジネスプロセス管理(BPM)の領域では「Oracle BPEL Process Manager 10g」を、ビジネスプロセス監視の領域ではBusiness Activity Monitoring(BAM)機能をそれぞれ追加してきた。サービスを組み合わせてビジネスプロセスを駆動し、その状況を監視する機能がきちんと整ったわけだ。

 BPEL Process Managerは、BPEL(Business Process Execution Language)ベースのプロセスモデリングとワークフロー自動化のためのツール。Webサービスのオーケストレーションとビジネスプロセスの自動化が可能となる。今年6月末、同分野で優れた技術を持つCollaxaを買収、完成度の高いSOAとインテグレーションのためのプラットフォームに仕上がった。

 BAMはビジネスプロセスを監視し、収集したデータからビジネスの状態を把握できるようにするツールだ。やはりOracle Application Server 10gのモジュールであるビジネスインテリジェンス機能と組み合わせ、例えば、ダッシュボードからサプライチェーンの進ちょく状況を追跡できるようになるという。

 もはや、もはやレガシーシステムのように単にトランザクションを処理するだけでなく、インテグレーションといっても単にシステムをつなぐだけでもない。ビジネスプロセスを駆動し、さらに脈絡にあった経営層向けのコンテントまで生み出してくれるのだ。

EBSの機能もサービスとして活用

 レイヤとしてはBPMやBAMよりかなり低いところに位置するが、RosettaNet、HL7、EDI、EDIFACT、AS2、UCCNet、SWIFTといった業界に特化したプロトコルもしっかりサポートした。

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