NetBSD/PowerPCで動く二足歩行ロボット――Speecys(スピーシーズ)ロボットキットとは?UNIX USER2005年2月号特別企画より転載(1/3 ページ)

NetBSDベースのOS、CPUとしてPowerPCを採用した二足歩行ロボットSpeecys(スピーシーズ)。その組み立てキットの受注がいよいよ始まった。そこで本稿では、発送直前にうかがった最新のspeecysと、その舞台裏を詳細に報告しよう。

» 2005年01月18日 15時00分 公開
[UNIX USER]

 2004年12月6日、スピーシーズは「Speecys(スピーシーズ)ロボットキット」の受注を開始した。価格は、52万2,900円(税込)だ。

 この製品は、購入者が自分の手で二足歩行ロボットSpeecysを組み上げるというキットで、ロボットのパーツ類一式のほか、マニュアル、モーション作成用エディタやリモートコントロールソフトなどが同梱されている。


※上記Flashは複数の画像をつないだもので、実際に動作している動画はスピーシーズのホームページで見ることができる

 組み立ては、スピーシーズ社内の慣れた者でも1〜2日間はかかり、初心者の場合は1週間かかるとみたほうがいいようだ。また、組み立てに失敗しても組み直すだけで良く、それで壊れることはないという。

 完成したSpeecysのスペックは表1のとおりで、外観は図1のようになる。全高約40cm、重量は3.5kg、ニッケル水素専用電池による動作時間は15〜30分間だ。動いている姿を確認したいという方は、次のURLで配布中の動画データを閲覧すると良い。

 http://speecys.robo-pro.com/download.html

表1 Speecysの仕様
関節可動部自由度     2軸
4x2本
上半身回転 1軸
脚部 6×2本
合計 23自由度
頭部インターフェース     自由度 2軸
LED(眼部分) 3色x2セット
35万画素CMOSカラーカメラ 1個
ステレオ マイク入力 1セット
音声出力用スピーカー 1個
外部接続用汎用
インターフェイス
無線LAN標準装備(IEEE 802.11b準拠)
センサー       サーボ内蔵 サーボ個数分
ジャイロセンサー 1軸
(2軸、3軸オプション)
3軸Gセンサー 1セット
足裏タッチセンサー 最大6個×2足
(オプション)
そのほかタッチセンサー 最大6個
(オプション)
CMOSカラーカメラ 1個
マイク 2個(モノラル×2)
バッテリー ニッケル水素専用電池9.6V 2000 mA
全高/重量 約40cm/約3.5kg
消費電力 約1.7A(ひざを曲げて静立時)、
約4A前後(Speecys_Dancing時)
動作時間 約15〜30分(スピーシーズによる測定)
充電時間 約1〜2.5時間(充電電流による)
図1 図1 Speecys正面、背面(クリックで拡大します)

 ロボット用OSとして開発されたSpeecysOSは、NetBSD 1.xをベースとしている。スピーシーズによれば、つい最近リリースされたNetBSD 2.0は十分に安定するまで時間がかかりそうなため、3.0がリリースされるまでは1.xベースのままの可能性があるという。

 また今後、オプションパーツ販売や、Speecysを利用するゲームの開発計画がWebサイトで公開されている。詳細は次のURLを参照してほしい。

 http://speecys.robo-pro.com/firmware.html#apli

Speecys開発者インタビュー

 ここでは、Speecysロボットキットの開発・販売元であるスピーシーズの代表取締役 春日知昭氏、Technical Managemant 宮重正幸氏へのインタビューを掲載しよう。2004年12月、受注が始まったSpeecysが、どのようなロボットなのか分かるはずだ。

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