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» 2005年01月31日 21時48分 公開

SME市場に本腰、新しい間接販売モデルを模索する日本オラクル(2/2 ページ)

[浅井英二,ITmedia]
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 同社は先ず、SME市場に対する社内の認識を変えることから着手、パートナーへの頼り過ぎを改め、メッセージが日本オラクルから直接伝えられるようにした。発足からわずか2年のクロスインダストリー統括本部も短期間で160人に増強した。実に営業部隊の3割が中堅および中小を担当する大規模な組織改編だ。

 4000社をすべて訪問していくと、営業マンに不満をぶつける顧客がほとんどだったが、それは期待の裏返しでもあった。

 「メッセージもシンプルな“安い、速い、簡単”に変えた。事実はそうなっているので、多くの顧客に理解してもらえた」と三澤氏。新しい三拍子のメッセージは、彼の発案でもある。いわゆるエントリー向けの「Oracle 10g Standard Edition One」の価格はSQL Serverと比較すると3分の2、高信頼性を求めるHA構成なら6分の1というのが日本オラクルの試算だ。「安い、速い、簡単」は、昨年末のOracle OpenWorld San Franciscoでもラリー・エリソン会長兼CEOが幾度となく口にしている。

 顧客の理解が得られるに従って、クロスセル、アップセル、リプレースも可能となる。4000社ともなると訪問は3カ月に一度くらいしかないが、同社ではインターネットや電話を使った「Oralce Direct」という営業体制も同時に整え、その間のダイレクトパスとして活用する。

ISVにも専任営業部隊

 中堅や中小の顧客が相手となると、Oracleデータベースが組み込まれたソリューションのユーザーも多い。ISVとの協業が欠かせないところで、「On Oracle」というISV支援プログラムはあったが、彼らを専任で担当する営業はいなかった。

 ISV専任営業部隊の整備とともに日本オラクルが多額の投資を行って開発してきたフレームワーク、例えば、「Oracle Location-Based Services(LBS:位置情報サービス)フレームワーク」を無償でISVに提供するプログラムも開始している。無償提供されるソリューションには、金融業界でやり取りする情報を記述するXBRL(eXtensible Business Reporting Language)や、RFID、セキュリティもあり、ISVらはコスト節約だけでなく、製品自体の競争力を高めることもできるという。

 SME市場への取り組みを見るとき、多くのベンダーは、特別な廉価バージョンを用意したり、地域別組織の強化、パートナーとの協業強化といった話をよく聞くが、日本オラクルの場合は、顧客にフォーカスし、彼らへのハイタッチなアプローチの模索からスタートした点で異なる。

 「新しい間接販売モデルをつくらないと未来はない」と三澤氏は話す。

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