カガーマン 今年中にISV(独立ソフトウェアベンダー)にプラットフォームの一部を公開します。2006年には、ISVならびに当社のAll-In-One(中規模)顧客にプラットフォームを全面的に公開し、彼らが同プラットフォーム上でアプリケーションを開発できるようにする予定です。そして2007年をメドに当社の全ポートフォリオをBusiness Process Platformに移行させるつもりです。
――新プラットフォームは、PeopleSoftを買収したOracleとの差別化を図る上で効果があるでしょうか?
カガーマン あると思います。これまで言い続けてきたことですが、データベース運用システムなどの基盤技術はコモディティ化しており、このレイヤーに当社のソフトウェアを統合するメリットはありません。われわれは、UNIXであれLinuxであれMicrosoft製品であれ、OSを選択する自由を顧客に与えたいのです。Oracleの考え方は異なります。Microsoftもそうです。
しかしその基盤技術には、われわれが付加価値を提供できる部分もあり、統合プラットフォームNetWeaverでそれを提供したのです。今度のBusiness Process Platformでは、NetWeaverをアプリケーションレイヤの一部と融合させようとしているのです。そしてこの新プラットフォームは、より上位に置かれる、ハードコーディングされないモデル駆動型のサービスレイヤをサポートします。コンサルタントがプロセスを組み立て、分析ツールを構築する場合を考えてみましょう。われわれはこのレベルのアプリケーションを提供しますが、当社と競合するベンダーもそれを提供するでしょう。
それでご質問の件ですが、Oracleは相変わらず、あらゆるものがデータを中心に回っていると考えています。われわれに言わせれば、すべてはプロセスを中心に回っているのです。例えば、全社的なコラボレーションについて考えてみましょう。これはデータとは何の関係もありません。中心になるのはプロセスです。これからは、業務改革につながるプロセスの共有が重要になります。それが新プラットフォームでわれわれが目指している目標です。
――Microsoftについてはどう思いますか?
カガーマン 確かにMicrosoftは競争相手ですが、彼らと競合するのは市場のローエンド部分です。しかし彼らのソリューションがスケールアップすれば、彼らも上を狙いたいと思うようになるでしょう。
――逆にSAPの方は、中小・中堅企業市場に進出することによって対抗しようというわけですね?
カガーマン そうです。両社はこの分野ではライバルです。しかしほかの分野では協力もしています。
――価格面でのプレッシャーという点では、OracleとPeopleSoftの合併による影響はあるでしょうか?
カガーマン これから何が起きるか分かりません。何が起きても不思議ではありません。安定した価格が維持されるかもしれませんが、これはOracleがどれくらい本気で市場シェアを拡大するつもりなのかによります。
――SAPは今年、買収を行う予定ですか。
カガーマン 当社の製品ポートフォリオは完全なものではありません。しかし問題は優先順位です。一度にあらゆることはできません。重要なのは、当社のコア製品を軸とした革新的なアドオン製品を開発することです。そうしないとライバル企業に顧客を奪われることにもなりかねません。ですから、製品の欠落を埋めるために買収を検討する可能性もあります。
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