ILMはバランスが重要――新製品/サービス投入でストレージ戦略を加速する日本HP

日本HPは、ストレージ分野においてILMを提唱している。ハード、ソフト、サービスの全方位でILM戦略を推進すべく新製品/サービスを投入する。

» 2005年02月22日 19時03分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカードは2月22日、ILM(情報ライフサイクル管理)に関するストレージ製品やサービスを発表した。ハード、ソフト、サービスを拡充し、全方位でILMを推進する。

 ILMとは、情報の生成から削除までの一連の流れ(ライフサイクル)に注目し、重要度に応じて適切なストレージシステムに格納していく管理手法。メディアによって異なる価格差とサービスレベルを有効に利用して、増え続けるデータを最適なかたちで管理できる。多くのストレージベンダーがILMを掲げており、日本HPも昨年5月からILMの考え方に基づいた製品・サービスを投入している。

 今回発表されたのは、階層型ストレージ管理ソフトウェアの最新版「HP StorageWorks File System Extender 3.1」(FSE)。ILMを実現するために必要となる、ストレージ階層へのデータ配置、ポリシー基づくデータの自動移行といった部分をカバーする製品だ。

 クライアントとサーバモジュールで構成され、プライマリストレージからセカンダリへのデータ移行/復元を行う。クライアントモジュールが、ユーザーに提供するファイルシステムや移動ポリシーの管理を行い、サーバモジュールがセカンダリストレージの制御やメディアの管理、ストレージプールを作成する仕組み。

 ファイルシステムをWORM(Write Once Read Many)にするためのアップフレードオプション機能も備えており、一定期間アクセスがなければ、ファイルの改ざん防止のための保護を施せる。「WORM対応メディアを用いなくても追記型の保存が可能で、将来的にWORMメディア対応ストレージと連携させることで、一定期間のデータ保存を義務付ける規制へ準拠させていくことが可能になる」(日本HPストレージワークス製品本部大内剛氏)という。

 また、ILMの移行ポリシーを設定するための分析サービス「ILMアナリシスサービス」も20万円から提供する。価格は規模や容量によって異なる。ストレージの使用率や、アクセス頻度、ファイルサイズ分布、データの種別といった現状を把握して、理想の形へ持っていくための最適化案を提案する。

 同時に日本HPは、電子メールアーカイビングシステム「HP StorageWorks Reference Information Storage System」(RISS)の新モデルおよび、4Gbファイバチャネル対応の32ポートSANスイッチ「HP StorageWorks SAN Switch 4/32」も同時発表した。

 価格は、FSEが403万4100円から、RISSが1995万円から、SAN Switch 4/32が273万円から。いずれも3月下旬から出荷する予定だ。

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