自律化はデータベース運用に何をもたらすのか(2/2 ページ)

» 2005年03月03日 11時49分 公開
[ITmedia]
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 データの挿入、削除が繰り返し発生すると、データベースは断片化を引き起こし、性能劣化につながることがある。そのためデータメンテナンスを実施する必要があるが、従来はその時期の判断は、データベース管理者の経験に対する依存が非常に大きかった。

画面1■断片化具合をグラフ表示によって視覚的に確認ができる

 HiRDBでは、これまでも再編成を実施する判断を行うため、視覚的にデータベースの状態を表示するという機能を提供してきた(画面1)。しかし、これでも実際再編成時期を決めるにはデータベース管理者の経験に頼ることになる。

 今回、リリースされるHiRDB Version7.2では、新たに「再編成時期予測」機能を提供することで、より的確な時期の判断を支援することができるようになった。つまりこれは、

  • データベース格納状態を監視する
  • データベースの断片化の状態に応じて、メンテナンス時期(予測日)とその方法を提案する
  • メンテナンスを自動的に対処する

という機能である。また予測日とともにメンテナンス方法としては次のような、3つの状態に応じて運用管理者に提案してくれる(画面2)。

  • 使われていない空きページを回収し、再利用可能とすることで断片化を軽減するガベージコレクション機能
  • データベースの詰め替えを行い、断片化を解消するデータベース再編成機能
  • データエリアの拡張機能
画面2■再編成時期予測機能によりデータメンテナンス具合が画面確認できる。「予測日」と「メンテナンス方法」そして「自動対処」の表示内容に注目したい

 つまりHiRDBでは、適切なタイミングを図るために、定期的に指定された対象のテーブルやデータ領域を一定の間隔で監視を行い、予測日とその対処方法を管理者へ示すことが可能だ。これらの対処は、どうしてもデータベースに負荷がかかるため、オンラインサービスの停止や、比較的負荷の低い日時を選んで実行する必要がある。しかし、予測日をあらかじめ提示することで、事前に対処する計画を立てることができるわけだ。これにより、問題が顕在化することなく対処ができるだろう。

 「自律化実現によって、データベース運用の敷居を下げることができた」と日立では主張している。

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