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» 2005年03月11日 22時04分 公開

合併の成否を占う――BusinessObjectsと旧Crystalの統合スイート

日本ビジネスオブジェクツは、2003年に買収したレポーティングツールベンダーの旧CrystalDecisionsとの統合新製品「BusinessObjects XI」を発表した

[怒賀新也,ITmedia]

 日本ビジネスオブジェクツは3月11日、記者発表会を行い、同社が2003年に買収したレポーティングツールベンダーの旧CrystalDecisionsとの統合新製品「BusinessObjects XI」を4月1日から販売し、25日から出荷を開始すると発表した。また、中堅中小企業向けのレポーティングを中心としたBIアプリケーション「Crystal Reports Server XI」を提供することも併せて明らかにしている。

 同社の徳末哲一社長は、「Crystalとの統合時に発表した製品ロードマップ通りに、統合BIアプリケーションを提供することができた」と話し、合併後の作業が順調に進んでいることをアピールした。

 分析エンジンとしてのBIを中心に提供してきた同社は、Crystal買収でレポーティングツールを得たことにより、経営者や情報分析系の専門部門への情報提供を目的とするBIに加えて、一般の従業員もデータの裏づけをもとに業務を遂行するためのソリューションを提供できるようになった。

 「意思決定を勘に頼る、戦略と実行の一致しない、大量のデータが分断されている、情報取得にかかる時間や労力などのコスト負担が大きい」など、企業ユーザーの多くが情報システムに対して持つ課題の解決のために、同社は「EPM(Enterprise Performance Management)」を製品コンセプトの根本概念として掲げている。

 EPMは、ガートナーが定義したCPM(Corporate Performance Management)とほぼ同義で、最近では単純化してパフォーマンス管理と呼ばれることもある。パフォーマンス管理とは、企業が戦略に基づいてあらかじめ定めた指標を通じて、業績などを含めたパフォーマンスを常に監視し、より早い段階で異常や問題を発見して対策を講じることができるようにするために、その管理プロセス、方法論、評価尺度、テクノロジを統合し、全社的かつ一貫した形で導入・実施するコンセプトと定義される。

 究極的な目的は、企業が戦略を実現するために立てた計画を、しっかりと実行し、いい結果へと結びつけることと言える。そして、パフォーマンス管理を実現するための具体的なソフトウェアの中心となるのが、ビジネスインテリジェンス(BI)だ。

買収の結晶

 この日発表されたBusinessObjects XIと、Crystal Reports Server XIは、BusinessObjects(BO)と旧Crystalを製品として統合したもので、いわば愛の結晶と考えてもいい。分析エンジンのBO、レポーティングのCrystalを集約したこの製品の出来具合で、買収の成否が判断され、今後が展望されるわけだ。

 製品としてのハイライトは2社の異なるソフトウェアが統合されている点だ。BIプラットフォームである統合レポジトリをベースに、旧Crystal側の機能だったレポーティング、また統合前のBOが提供していたクエリー、分析といった機能が実装されている。さらに、それらの情報を経営者や管理者が効果的に利用するために、ダッシュボード、スコアカード、パフォーマンスマネジメントアプリケーションなども併せ、すべての機能をスイートとして提供している。

 該当製品名としては、パフォーマンスマネジメント関連が「Performance Manager XI」「Dashboard Manager XI」、レポーティングが「Crystal Reports XI」、クエリー/分析は「BusinessObjects」「Web Intelligence XI」「OLAP Intelligence XI」、BIプラットフォームは「Enterprise XI」、データ統合は「Data Integrator XI」となる。

 そして、SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づき、各機能はコンポーネント化されており、必要なサービスを組み合わせる形でアプリケーションを設計することができる。また、「Cus_nm」を「顧客名」と変換するケースなど、データベース(DB)に使われる専門用語をビジネス用語へと通訳する「セマンティックレイヤー」も、同社が特許を持つ技術として組み込まれている。

 一方、ユーザーインタフェースとして、MicrosoftのOfficeと統合している点も特徴として挙げられる。WordやExcel、PowerPointなど、普段使い慣れたアプリケーションから、BIツールを操作できることで、エンドユーザーは従来よりも気軽にツールを利用し、データを実際の業務に生かせるようになる。

 なお、BusinessObjects XIのサブセットとして中堅企業向けに提供されるCrystal Reports Server XIは、価格が105万円と公表されている。7月29日まではキャンペーンとして、88万8000円で提供される。

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