φ-Conductorの製品コンセプトについて、「企業の業務を助けようと考えた結果としてできたソフトウェアであり、SCMなどの言葉は開発の途中で聞いた言葉だった。8年掛かりで開発し、今も開発中」と話す。
同氏は、ウッドランドで20年以上の間社長を務めていたが、ソフトウェアの販売というビジネスそのものが利益率が低かったという。そのため、「高収益率のビジネスを生み出すことが悲願だった」。そこで、同氏は、ソフトウェアの価格を通常とは異なる尺度で決めたいと考えたという。それが、「予想導入効果」だった。
事務処理系のソフトウェアでは、導入効果を金額で示すことは難しいが、業務をサポートするソフトウェア、すなわち、在庫の適正化とキャッシュフロー効果、機会損失をいかに低減できるかなどを予測できれば、導入効果を数値化することも可能になる。導入企業が効果を数値的に体感できるソフトを作りたいと考えたという。ひいては、自社を高収益企業にしていきたいというのが同氏の考えだ。
UIが特徴であるφ-Conductorだが、機能面の充実ぶりも注目できる。受注手配、在庫コントロール、調達計画、デマンドサプライチェーンという4つの機能をビジネスコンポーネントとして汎用化している。そして、たとえば、利用企業が業務の中で、欠品を起こしてしまったとき、φ-Conductorはユニークな情報をユーザーに提供するという。
10個の注文に対して在庫が7個しかない場合、同ソフトウェアは、7個を出荷して3個を後送する、10個そろうまで待って出荷の手続きをする、いつなら10個そろうかを示す納期を回答するという3つの選択肢をユーザーに提示する。
利用者はソフトウェアを利用しながら、常に柔軟な業務判断を行うことができるわけだ。このような使い手の気持ちにたったさまざまな機能により、同社は、幅広いユーザーの獲得を目指す考えだ。
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