SOAとは何か?『SOA―サービス指向アーキテクチャ』から転載(4/5 ページ)

» 2005年06月14日 16時55分 公開
[翔泳社]

 そのためには、メインフレーム上にあるサブシステムであっても、最新のJava技術に基づくコンポーネント群であってもかまわない。要は、機能としての自立性が高くなくてはならないということである。また、図1.1の左上で示しているように、サービスはWebサービスなどの標準的な技術に基づくインタフェースによって定義される。インタフェースにはサービスの呼び出し方が記述されている。

 サービスを利用する側のシステムは、この呼び出しを行うことでサービスを実行させ、その結果を受け取ることになる。インタフェースを付加するためには、そのインタフェースを取り扱うことのできる技術基盤が必要になる。具体的にはApache AxisフレームワークやJ2EE、.NETなどのミドルウェア技術である。Webサービスに対応した製品を用いたシステムであればそのままWebサービスインタフェースを付加し、サービスとして外部からアクセスできるはずである。

 サービスは、BPMやサービスバス、ポータルフレームワークなどのサービスを活用する技術基盤上で運用される(図1.1の右側)。サービスを活用する側はWebサービスを呼び出す仕組みを組み込んでおり、ビジュアル開発環境などで簡単にサービスを組み合わせることができるものが多い。こうしてサービスを複数組み合わせて一連の業務を実現する。

 同時に、こうしたSOAの概念の導入が適切かどうかについては企業内で十分に検討される必要がある。企業や組織におけるどのような範囲で、どういう段階を踏みながら、どれだけの期間をもって導入するかも重要である。SOAは単なるシステムアーキテクチャではなく、開発方法論と密接に結び付いているのである。SOAの導入を検討する際は、既存システムの再利用と現在、およびこれからのシステム開発への適用があり、かつ現段階での短期的なSOA化範囲と将来的な目標としてのSOA化範囲を考える。

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