JBossがEJB 3.0を採用、ポータル製品も刷新(1/2 ページ)

JBossがEJB 3.0の初期バージョンに対応したミドルウェア製品、3種類をアップグレードする。今週中にWebサイトで公開される見込みだ。

» 2005年06月21日 20時04分 公開
[IDG Japan]
IDG

 JBossは6月20日、3種類のJavaミドルウェア製品をアップグレードし、「EJB 3.0」規格の初期バージョンに対応すると発表した。さらに、ポータル作成ソフトウェアを大幅に改良した新バージョンもリリースすることを明らかにした。

 一方、ObjectWeb(オープンソースのJavaミドルウェアを開発している欧州のコンソシアム)は6月20日、Iona Technologiesが同グループに加わり、オープンソースのESB(Enterprise Service Bus)製品を寄贈したと発表した。

 EJB(Enterprise JavaBeans)は、アプリケーションのビジネスロジック(アプリケーションの機能部分)が含まれる再利用可能なサーバコードの集合である。例えば、クレジットカード取引を承認するためのアプリケーションの場合、「信用度のチェック」や「支払いの承認」といった機能を組み込んだEJBを使用することになる。

 EJBは、複数のサーバにまたがって動作するアプリケーションや、多数のユーザーをサポートする必要があるアプリケーションの開発に役立つ。しかしJ2EE(Java 2, Enterprise Edition)のほかの要素と同様、EJBに対しては「複雑で扱いにくい」という批判があった。

 EJB 3.0では、EJBコンポーネントを作成するためのAPI(Application Programming Interface)を簡素化するなどして、こういった批判に対処し、開発生産性を高めることを狙っている。

EJB 3.0を実装

 アトランタに本社を置くJBossの欧州/中東/アフリカ地域のゼネラルマネジャー、サッシャ・ラブーリー氏は、「従来のEJBサービスもすべて残されるが、EJBで実現できる機能を増やすとともに、EJBを利用する方法を簡素化した」と話す。

 JBossは、「Application Server 4」「Hibernate 3」(パーシステンスエンジン)「Eclipse 1.5」IDE(統合開発環境)という3つの製品のアップグレード版にEJB 3.0を実装する。これらのバージョンは、今週中にJBossのWebサイトからダウンロード可能になるという。

 EJB 3.0はまだ最終的な仕様が完成しておらず、評価用の第2草案は2月にリリースされた。しかしラブーリー氏によると、EJBの開発者らは、来週サンフランシスコで開催される「JavaOne」ショウまでに最終草案をまとめるべく作業を進めており、EJBのメーリングリストも活気を帯びてきているという。

 EJB 3.0の最終承認版のリリースは、J2EE 1.5規格(EJB 3.0はその一部になる)がリリースされる2006年初頭になる見込み。しかしラブーリー氏によると、今月の最終草案のリリース後は大幅に変更されることはない見込みなので、開発者は大きな変更を心配せずに同規格を使い始めることができるという。

 「アプリケーションサーバのフル機能は必要としないが、EJB 3.0の新しいパーシステンス機能だけを使いたいという開発者の場合は、Hibernateだけを利用することもできる」とラブーリー氏は話す。JBossによると、Application Server 4には、EJB 3.0の機能をツアー方式で紹介するチュートリアルが含まれるという。

 IBM、Oracle、Sun MicrosystemsなどのJavaベンダー各社もEJB 3.0を後押ししている。

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