迫るSAP ECC 6.0保守期限 2025年ランキングが予見する「未来のIT基盤」2025年のIT業界 総まとめ(SAP2027年問題編)

2025年の年間記事ランキングからSAP ECC 6.0の保守期限に関連するトピックを抽出。現実的な延命策から、AI駆動型へ進化するERPの未来像まで、基幹システム刷新の最前線を読み解きます。

» 2025年12月29日 07時00分 公開
[大島広嵩ITmedia]

 2025年も「ITmedia エンタープライズ」をご愛読いただき、誠にありがとうございました。

 年末特別企画として、2025年に公開された記事の中から、読者の皆さまによく読まれた記事を振り返る「2025年 年間記事ランキング」をお届けします(集計期間:2025年1月1日〜12月1日)。

 今回お届けするのは、2025年のエンタープライズIT市場で大きな関心事となった「SAP ECC 6.0」(以下、ECC 6.0)の保守期限が2027年末に迫る、いわゆる「SAP 2027年問題」にフォーカスしたランキングです。

 電通総研の「SAPユーザー意識調査結果2025年度版」によると、いまだSAPのERPを利用している国内企業の55.9%がECCを利用しています。2024年調査から「SAP S/4HANA」への移行は5.7ポイント進んだものの、依然として半数以上の企業が旧システムを抱えたままです。旧システムの維持か、それともAI時代の新基盤への移行か。IT部門の動向を振り返ります。

2025年ランキングトップ10

現実的な延命とその先の未来が関心を集める

 2025年のランキングが示すのは、目前の2027年に向けた現実的な延命(1位10位)と、その先にあるERPの未来(3位4位)という、基幹システムの在り方が根本から覆されるパラダイムシフトです。

 1位や10位が示す「延命」は単なる時間稼ぎではありません。2033年までのサポート延長には最新基盤への移行という条件が伴います。また、企業によってはコアを維持しつつ周辺をSaaSで固める「ハイブリッドな延命」を、準備期間として戦略的に選択しています。

 一方、3位や8位が描く「未来」は、巨大なパッケージの終焉(しゅうえん)を予見します。特に3位の「『ERPパッケージという概念がなくなる』 第三者保守ベンダーから見たERPの未来」は、これからのERPは、必要な機能のみをつなぐコンポーザブルな姿へと形を変え、AIが意思決定を主導する形へと進化するという大胆な予想です。こうしたプラットフォーム化の波に呼応するように、SAPのグローバル幹部は、アウトカムに対して対価を支払うというビジネスモデルに移行するといったサービス市場へのシフトを示唆しています(4位)。

 ERPは守りの基幹システムから、AIを核とした攻めのプラットフォームへ脱皮しようとしているのかもしれません。延命で得た時間を、単なる維持に費やすか、AI時代の基盤構築に充てるかといった選択が、2030年代の企業の命運を分けることになるでしょう。

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