日本IBM、中堅企業向けのIBM Workplace Services Express 2.5発表

日本IBMがチーム・コラボレーション・ポータルを実現する中堅企業向けのIBM Workplace製品を発表した。24万円からと価格を抑えたほか、保守ライセンスを所有するユーザーは無償でダウンロードできるという。

» 2005年07月13日 19時27分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 日本アイ・ビー・エムは7月13日、都内で顧客やパートナー向けの「Workplace製品発表会」を開催し、中堅企業向けの「ワークプレイス」環境を実現する「IBM Workplace Services Express 2.5」を8月26日から出荷することを明らかにした。

 昨年5月中旬、国内でも発表された「IBM Workplace」は、さまざまなデバイスからネットワークを介して、業務アプリケーションやデータへのアクセス、共有、および管理を、簡単、安全かつ低コストで行える新しいフロントエンドコンピューティング環境。IBMは、「オンデマンド・ビジネス」構想を掲げ、顧客のニーズや新たな市場機会、あるいは外部の脅威に対して柔軟かつ迅速に対応できる企業へと顧客らを導こうとしているが、そのベースとなるのはやはり「人」だ。

 「一人ひとりの社員がどれだけ迅速に適切な判断を下せるかにかかってくる」と話すのは、日本IBMでロータス事業部長を務める澤田千尋氏。

 当初、IBM Workplace製品群は、WebSphereファミリー(WebSphere PortalおよびWebSphere Everyplace)と、Lotusファミリー(Lotus Notes/DominoおよびLotus Workplace)で構成されるとされ、メールや文書管理、e-ラーニングなどの機能を提供するLotus Workplace 2.0の提供開始も同時発表された。

 しかし、その後、Lotus Workplaceの製品名が「IBM Workplace」に変わるなど軌道修正され、現在、IBM Workplace Messaging 2.5やIBM Workplace Documents 2.5といったアップデートリリースが提供されている。

 ちなみに新しいサーバ管理型のリッチクライアント環境を実現するIBM Workplace Client Technology, Rich Editionというテクノロジーも「IBM Workplace Managed Client」に変更されている。

 名称変更によって若干の混乱も生じているが、IBM Workplaceのアーキテクチャーは、SOA(サービス指向アーキテクチャー)がベースとなり、むしろ整理が進んだ印象がある。下のレイヤから「インテグレーション」「コラボレーション&コンテント」「コンポジッション」「プレゼンテーション」という4つのサービスレイヤから構成され、チームコラボレーションや文書管理、ワークフロー、ポータル、リッチクライアント/モバイルクライアントといった各種の機能やそれを提供する製品群(例えば、WebSphere PortalやWebSphere Everyplaceなど)もそれぞれのレイヤに位置づけられている。

 今回発表されたIBM Workplace Services Express 2.5(WSE 2.5)は、こうしたIBM Workplace製品群の中から中堅企業が手軽にワークプレイス環境を構築するための機能を抽出し、SOAのアプローチで統合したもの。メッセージングの機能は含まれないものの、Workplace Documents、Workplace Team Collaboration、WebSphere Portalという3製品からチームコラボレーション機能やポータル機能、Webベースのワープロ、表計算およびプレゼンテーションの機能などが切り出され、チームのワークスタイルを変革する「チーム・コラボレーション・ポータル」としてパッケージングし直されている。

 Javaで書かれたRDBMS、Cloudscapeを活用することで、オフラインの状態でもサーバ上の文書ファイルを扱う操作感を実現できるという。

 WSE 2.5は、NECネクサソリューションズ、大塚商会、PFU、日本ビジネスコンピューター、リコーテクノシステムズなど約1700社に上る販売パートナーや日本IBMから提供され、8月26日から販売と出荷が始まる。また、アイ・ティ・フロンティア、OSK、コムチュア、システム・テクノロジー・アイ、ジャストシステム、PFU、ライトウェル、リアルコム、リコーテクノシステムズといったISVらからはWSE 2.5に対応した製品が順次出荷されるという。

 なお、価格は20ユーザーライセンスが24万円からとなっているほか、同社ソフトウェアのPassport Advantageの有効な保守ライセンスを所有する顧客は20ユーザーライセンス(1年間利用可能)を無償でダウンロードできるキャンペーンを年内展開する。

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