「デュアルコアでも低消費電力」、次世代Centrinoの挑戦

次世代のノートPC向けCPU「Yonah」と「Napa」プラットフォームでは、省電力化に大きなフォーカスが当てられている。

» 2005年07月13日 21時22分 公開
[垣内郁栄,@IT]

 インテルは7月13日、ノートPC向けプラットフォーム「Centrino」の次世代製品「Napa」(コード名)についての説明会を開催し、米インテルのモビリティ事業本部 副社長兼モバイル・プラットフォーム事業部長 ムーリー・エデン(Mooly Eden)氏がNapaの消費電力の低さを説明した。

 Napaはデュアルコアのプロセッサ「Yonah」(コード名)を採用するが、「消費電力は(現行Centrinoの)Sonomaよりも低い」として、ノートPCのバッテリー駆動時間が伸びると述べた。

エデン氏 米インテルのモビリティ事業本部 副社長兼モバイル・プラットフォーム事業部長 ムーリー・エデン氏

 NapaはプロセッサのYonah、チップセットの「Calistoga」、無線LANモジュールの「Golan」を統合したプラットフォーム製品。2006年第1四半期の出荷を予定している。デュアルコアプロセッサに加えて、2MBの共有キャッシュを搭載し、パフォーマンスが向上する。

 インテルがノートPC向けプラットフォームの開発で重視するのは、バッテリー駆動時間の延長だ。エデン氏は、「インテルは1回の充電でノートPCを8時間稼働させることを2010年までに実現するとしてきたが、現在では2008年までに実現できるめどが立った」と述べた。インテルは2007年には、Napaの後継プラットフォームを使って8時間稼働プロセッサのプロトタイプを公表する計画だ。

 Napaにも低消費電力の技術を複数盛り込んでいる。1つは電力効率のよい65ナノプロセスでの開発。また、プロセッサ内部のI/Oを工夫し、1つのI/Oで2つのコアにアクセスできるようにした。コアごとにI/Oを用意する必要がなく、消費電力を抑えることができるという。

 さらにコアごとに周波数や電圧をコントロールできる「スピードステップ」技術を実装した。アプリケーションによっては1つのコアへの電力供給を最小にして、電力消費を節約できる。

 また、エデン氏は「低消費電力の実現にはパートナーの協力が欠かせない」として、ソフトベンダーなどと消費電力を考慮したアプリケーションの開発を進める考えを示した。

 64ビットアプリケーションをx86上で稼働させるEM64T技術のYonahへの搭載を見送ったのも、消費電力を考えてだ。エデン氏は「64ビットのサポートは何百万ものトランジスタを追加する必要がある。消費電力のアップなどユーザーにとって悪いトレードオフになる可能性がある」と説明した。

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