Microsoftがオープンソースを目指す?

Microsoftは将来的に「自社のアプリケーションをオープンソースの形で提供するようになるだろう」――OSDLのスチュアート・コーエンCEOの予測だ。

» 2005年07月14日 20時32分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Microsoftのソフトウェアはいつか、Linuxなどのオープンソースシステム上で動作するようになるのだろうか? オープンソース運動の最高幹部の1人は、それが実現する可能性は十分にあると考えているようだ。

 OSDL(Open Source Development Labs)のスチュアート・コーエンCEOはTechworldの取材に対し、Microsoftはプロプライエタリでクローズドな技術を販売するというビジネスモデルに固執している世界最大のソフトウェア企業であるとしながらも、「オープンソースソフトウェアの発展に伴い、Microsoftが自社のアプリケーションをオープンソースの形で提供するようになるだろう」と語った。

 さらに同氏は、「Microsoftの顧客はLinuxのユーザーでもあり、同社はサーバとデスクトップの両方で相互運用性に関心を抱いている。彼らはそれを実現するだろう」と付け加えた。

 コーエン氏はTechworldの取材で、オープンソースソフトウェア(OSS)の文書化、Linuxのサポート、OSS運動とユーザーとの関係などについてコメントするとともに、商用製品に対する取り組みを拡大するために中央集権的な体制を強化する必要があるかどうかについて語った。

 さらに同氏は、OSDLが最近、ルクセンブルグに欧州オフィスを設立したことを明らかにするとともに、中国でもオフィスの開設に向けて精力的に取り組んでいると述べた(関連記事)

 非営利組織であるOSDLの目的は、企業向けLinuxの普及を促進することである。Linuxの創始者であるリーナス・トーバルズ氏もOSDLに在籍する。OSDLの創設メンバーには、IBM、HP、CA、Intelなどの企業が名前を連ねている。

 コーエン氏がオレゴン州ポートランドのオフィスからビデオリンクを通じて、ロンドンで開催されたCommonwealth Technology Forum(CTF)で行ったスピーチの後の同氏のコメントの背景には、Microsoftの強硬な姿勢が表面的に軟化したか、あるいは少なくとも同社がOSSから学ぶ意欲を示していることがある。

 レドモンドに本拠を構えるMicrosoftのスティーブ・バルマーCEOは最近、Red Hatのマシュー・ズーリックCEOとニューヨークで一緒に食事をしているところを目撃されている。一方、Gentoo Linux(人気の高いディストリビューションの1つ)の創始者のダニエル・ロビンズ氏は最近、Microsoftに入社した。

 Microsoftは伝統的に、市場に一番乗りすることはめったにない。しかしいったん同社がリソースをある方向に振り向けると決めれば、同社の豊富な資金力と、ビジネスを素早く成功させる意志と能力は、多くの場合、既存のプレーヤーが粉砕されることを意味する。

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