フリーソフトでお金を稼ぐには(1/2 ページ)

オープンソースソフトから利益を出すことは可能だ。それには優れたビジネスモデルが必要になる。

» 2005年07月15日 12時37分 公開
[Steven J. Vaughan-Nichols,eWEEK]
eWEEK

 先のコラムで、わたしはいかにしてフリーソフトに取り組むことで文無しになる可能性があるかを語った。一部には、わたしがオープンソースソフトの開発で利益を出すことについての暗い展望を説いていると思った人もいた。

 ナンセンスだ!

 MySQLのマーティン・ミコスCEOは、あのコラムを読んだ後でわたしにこう言った。

 「わたしは、フリーソフトを基盤に莫大な利益を出せるビジネスを構築することは可能だと信じているが、オープンソース・フリーソフト自体はビジネスモデルではないということを理解しなくてはならない。これは生産・配布の手法にすぎないのだ」

 その通りだ。ミコス氏はこうも続けた。「フリーソフトから収益を上げている企業の中には、多額の利益を得ているところもある。HP、IBM、Google、Yahoo!、Amazon、それから純然たるオープンソースベンダーのRed Hat、JBoss、MySQLを見てみるといい」

 「MySQLの野望は、フリーソフトに完全に専念しても素晴らしいビジネスを築けると示すことだ。当社の売上は非常に急速に伸びており、これまでで最高の四半期を終えた。われわれのコミュニティーが、すぐに消えてしまわないような強力なビジネスを築いたおかげだと思う」

 では、どうやってビジネスを築くのか? 有効性が実証されているビジネスプランはたくさんある。

 まず、デュアルライセンスモデルというのがある。このモデルでは、企業はオープンソース版をたいてい無料で提供し、商用ライセンスに課金する。MySQLとSun(Openoffice.orgに関して)はこのモデルに従っている。

 これを成功させるには、非常に説得力のある価値命題が必要だ。MySQLのデータベースとOpenoffice.orgのオフィススイートは、おそらく間違いなくそれぞれの分野でベストオブブリードと言える。ユーザーは商用版に喜んで金を払うだろう。

 有名なプログラムである必要はない。その分野において非常に優れたプログラムであればいい。例えばTrollTechは確かに家庭では……開発者の家庭を除いては、馴染みのない名前だ。それでも同社はデュアルライセンスの強力な人気開発フレームワーク「Qt GUI」で10年以上もの間成長を続け、今では130人を超える従業員を抱えている。

 2番目のアプローチはサポートモデルだ。このアプローチでは、ユーザーはソフトをタダで手に入れられるが、ベンダーはサポートに課金する。これはRed Hatが、箱売りソフトは破滅への道だと気づき、無償版を中止したときに「Red Hat Enterprise Linux」で乗り換えたやり方だ。

 人々はこの転換を嫌ったが、これはうまくいった。

 現在、Red Hatの売上は前年比で40%以上伸びている。Red HatはMicrosoftほどの規模ではない……今のところはまだ。しかし2005年には2億5000万ドル(そう、億だ)以上の売上を上げるように思える。これは小さな額じゃない。

 IBMなど一部の企業は、単にオープンソースを企業へのサービス供給に利用している。ハード売上に依存する体質を変えようとしている最中のSunとは違って、IBMは顧客向けのオープンソースソフト運用・サポートが既に10億ドル以上のビジネスになっていることを示す生きた証拠だ。

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