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» 2005年07月20日 14時17分 公開

オープンソースプロジェクトのマーケティングに効くお呪い (1/2)

プロジェクトまたは製品の成否を決定するものは、結局、現在および将来のユーザベースとの間にどれだけの対話が交わされたか、である。ほとんどの開発者にとって、マーケティングは黒魔術だ。

[Dave-Rosenberg,IT Manager's Journal]

 オープンソースプロジェクトを立ち上げるのは簡単ではない。新しい技術の創造はもちろん難しいし、開発者に――さらには未来の顧客に――注目してもらい、開発作業を支援してもらうことも容易ではない。ほとんどの開発者にとって、マーケティングは黒魔術だ。

 お決まりの広告とPR活動は金食い虫であり、「ブランド」や「競争相手」について口角沫を飛ばしている人々の形相はすさまじい。だが、困難を克服して成功したプロジェクトも現に存在する。そうしたプロジェクトは、どう注目され、どうコミュニティーを形成していったのだろうか。それに学べば、成功への道のりの険しさも多少は緩和されるだろう。

 たとえば、MySQLとSugarCRMという会社がある。互いに性格の異なる2社だが、ともに開発者に対するマーケティングとコミュニケーションに大きな成果を収め、ブランド認知度の向上とユーザベース(および顧客層)の拡大に成功した。MySQL社はオープンソースデータベース市場で最大のシェアを占め、SugarCRM社はオープンソースCRM市場を支配している。両社の製品は、それぞれの市場で最良の製品だろうか。そうかもしれない。両社は人心のシェア獲得に積極的に乗り出し、それに成功したのだろうか。間違いなくそうだ。MySQL社は2004年から2005年までに65%も売上高を伸ばし、市場での地位を確立した。この一事を見るだけで、成功の程度が推測できる。また、Firefoxの目覚しい成功はどうだろうか。ダウンロード件数が7000万件を超えた。これが、主としてGetFirefoxなどの草の根キャンペーンで達成された数字だという。最近では、SpreadFirefoxも立ち上がっている。オープンソースマーケティングが成功すると、ウィルス感染にも似た爆発が起こる。

 もちろん、製品(またはプロジェクト)を開発し、効果的に市場に出すことが簡単だと言っているのではない。現実には困難であり、開発者とのコミュニケーションにも独特の心のありようが要求される。

開発者社会

 John Seely BrownとJohn Hagelは、最近出したThe Only Sustainable Edgeという本の中で、社会という概念を「各人による自己定義と、その自己定義確立のために試みる社会参加の形式との間に発生する複雑な関係」と定義している。開発者相手のマーケティングでは、顧客相手のマーケティングや一般的IT製品のマーケティングに比べ、この社会的側面の比重が高まる。多くの開発者にとって、あるプロジェクトに自分が積極的に参加するかどうかを決めるときの鍵は、開発プラットフォームの周囲に存在するコミュニティーの性格である。開発者なら誰でも、「これは最高、勝つ」と(実際にそうなるかどうかはともかく)思える技術と関わり、その陣営に属したいと願う。オープンソース指向の開発者の場合は、その傾向がとくに顕著である。これは、オープンソースが単なる技術的・経済的選択をはるかに超え、1つの社会的・政治的声明になっていることに由来する。

大金をばら撒くか、コミュニティーを築き上げるか

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