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» 2005年07月25日 19時52分 公開

ゆっくりとした歩調で進むWebサービス (1/3)

次世代ITインフラを支える技術として脚光を浴びるWebサービス。大きすぎた期待と複雑さに対する失望、ベンダーの思惑などに取り巻かれながら、どこへ向かおうとしているのだろうか。

[IDG Japan]
IDG

 今世紀に入って一躍脚光を浴びたWebサービス技術は、その後、浮き沈みを繰り返して今日に至っている。

 Webサービスを支持しているベンダー各社は、あらゆる問題に適切に対処しているとしているが、標準化やWSDLの複雑さといった問題が依然としてWebサービスの普及の妨げになっている。しかも厄介なことに、Webサービスの影響力は拡大しつつある。

 その背景には、.NETおよびJavaの両開発技術がWebサービスへの対応を強化していることがある。またWebサービスは、SOAの普及というトレンドのかなめとしての役割も背負っているのだ。

 自動車ローンのクレジット申請を処理するホスティングサービスを提供するRouteOneのビジネスは、Webサービスをベースとしている。RouteOneは2002年9月に自社の業務運用のための規格を作成し、2003年7月に実証実験段階に入った。同社は推計によると、それ以来、Webサービスを通じて数百万件に上るトランザクションを処理した。

 RouteOneで技術ディレクター兼チーフアーキテクトを務めるT・N・スブラミニアム氏は、「Webサービスがなければ、われわれが望んでいた期間内に立ち上げることができなかったかもしれない」と話す。

 オンラインリテールバンキングを手がけるCorillianは、Webサービスによる処理の活用という点ではもう一枚上手だ。Corillianのチーフアーキテクト、スコット・ハンセルマン氏は、「Webサービスを利用した処理件数は数え切れないくらいだ。何十億件にも上るだろう」と話している。

 MicrosoftでWebサービス戦略を担当するディレクター、アリ・ビクスホーン氏は、「わたしがWebサービスに関していつも言っているのは、長い間、分散アプリケーションの開発を行ってきた開発者たちは、そのソフトウェアへの短期的投資から長期的な利益を引き出したいと思っているということだ。Webサービスは、相互運用性を提供することによってそれを可能にする」と話す。

 Microsoftでは、XMLをベースとするWebサービスに向けた同社のビジョンは、1999年9月の「Windows DNA 2000」プログラムの発表でスタートしたとしている。

Webサービスのメリットとデメリット

 EDIのような旧来の手法と比べると、Webサービスは連携が容易であり、そのコストも低い。

 しかし、先月サンフランシスコで行われたJavaOneショウの参加者の1人は自由討議セッションの中で、Webサービスソリューションの主要コンポーネントの1つであるWSDL(Web Services Description Language)を「使いこなすのは不可能だ」と指摘した。また、Webサービス規格や標準化の取り組みが多数存在し、この分野の専門家でさえも把握しきれないのが実状だ。

 7月中旬にカリフォルニア州サンノゼで開催された「BMC Remedy User Group 2005」カンファレンスでは、ビジネスプロセス専門のコンサルティング会社Column Technologiesでプロジェクトマネジャーを務めるシニアシステムエンジニア、ジョン・ニールズ氏が、会議室を埋め尽くした約100人の聴衆の前で、Webサービスのメリットとデメリットを示したリストを発表した。

 Webサービスのメリットとして挙げられたのは、レガシーシステムの連携が容易になること、運用/開発コストの削減、システム開発の迅速化、外部の業務システムとの連携改善など。

 デメリットとしては、Webサーバのダウンタイム、変更不可能なインタフェース(クライアントをアップデートせずにインタフェースを変更すると障害が起きる可能性がある)、実行保証とセキュリティのためのプロトコルの欠如などが挙げられた。

 さらにニールズ氏は、URLを呼び出すたびに新たな接続を必要するHTTPリクエストに起因するパフォーマンス問題も指摘した。XMLの処理もパフォーマンス問題につながるという。

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