AMD、仮想化技術のシミュレータ提供へ

AMDは来年投入する仮想化技術「Pacifica」のシミュレーションプログラム「SimNow」を、ソフト開発者に向けてリリースする。(IDG)

» 2005年08月09日 10時37分 公開
[IDG Japan]
IDG

 AMDは8月9日(米国時間)、同社の「Pacifica」技術がOpteronやAthlon 64プロセッサに搭載される前に、ソフト開発者がこの技術の仮想化機能をシミュレートできるプログラムをリリースする。同社幹部が明らかにした。

 Pacificaシミュレータ「SimNow」は、9日からAMDのWebサイトでダウンロード提供されると同社の商用ソリューションストラテジスト、マーガレット・ルイス氏。同社は通常、新しいハード技術のリリース前に大手ソフトベンダーにシミュレータを提供するが、今回はSimNowを公開することで、もっと幅広いソフトベンダーや開発者にリーチしたい考えだという。

 Pacificaは2006年前半に登場する見込みだ(11月16日の記事参照)。この技術は、PCやサーバが仮想化技術を利用して、異なるソフトを実行できる仮想マシンを作れるようにする。

 例えば、IT部門はデスクトップあるいはノートPCに企業用アプリケーションを実行するセクションを作り、それと同時に別のセクションを個人利用向けにすることができるとルイス氏は説明する。万一ユーザーがPCの個人セクションでウイルスをダウンロードしても、企業セクションや企業ネットワークには影響しないという。

 あるいは1台のサーバ上で、1台の仮想マシンでLinux向けアプリケーションを走らせ、別の仮想マシンでWindowsアプリケーションを走らせることも可能だ。

 企業は既に、VMwareなどの企業のソフトによってこうした機能を利用できる。しかしAMDとIntelは、仮想化ソフトの性能を高めるために、来年投入するプロセッサに仮想化サポート専用のトランジスタを組み込む計画だ。

 SimNowを使えば、広範なソフト開発者が、Pacifica搭載プロセッサが登場する前に自社製品をこの技術に対してテストして適応させ、この技術の正式リリース時に製品を準備できるとルイス氏は語る。「皆に初期段階のハードを提供できるわけではない」

 同氏によれば、SimNowにより、開発者はシングルコアAthlon 64およびデュアルコアOpteronに相当するもので自分のアプリケーションをテストできるという。

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ