10倍の低電力化を実現しつつ、10倍のパフォーマンスをIDF Fall 2005(2/2 ページ)

» 2005年08月24日 23時27分 公開
[鈴木淳也,@IT]
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 このWiMAXによる通話デモは、インフラの整っていない山奥のような地域でもブロードバンド環境を利用できるようになる、という事実を示すためのものだ。WiMAXにより、比較的低コストでブロードバンド接続環境を広く展開することが可能になると、同社では過去数年にわたってアピールし続けていた。それが、今回ようやく実際のデモという形で紹介できたのだ。

 その後、同社のモビリティ部門を率いるショーン・マローニ(Sean Maloney)氏が行った基調講演では、さらに中国、欧州中部、カナダを結んだWiMAXによるビデオ・カンファレンスのデモが紹介された。

 オッテリーニ氏の基調講演では、ホームユースにおけるデジタル・コンテンツの利用のサンプルとして、巨大なHD-TV1台と12台のノートPCや携帯端末で同時にストリーミングによる新作映画の予告編を上映するデモを紹介した。その後、実はストリーミング映像はWiMAX経由で会場まで送信されていたことを明かした。

 コンテンツサーバは同社の米オレゴン州にある研究所に設置され、光ケーブルでサンフランシスコまでデータが送られた後、丘の高台からIDF会場のMoscone Centerまで送信され、そこから先は有線LANや無線LANで各端末にデータを分配する形態だった。これは、高画質映像をWiMAXのブロードバンド通信で問題なく送受信できることを意味している。

デモのアーキテクチャ 高解像度のビデオストリーミングのデモでは、実はWiMAXが利用されていた

 また同社では、WiMAX以外にWi-Fiなどのほかの無線LAN技術についても積極的な取り組みを続けている。

 例えば、ノートPCを持つユーザーが移動環境に応じて、UWBやBluetoothのような短距離無線規格、屋内では802.11a/b/gなどの無線LAN、そして移動先ではWiMAXや携帯電話ネットワークの3GやGPRSを利用したりと、適時最適なネットワークへとローミングできる仕組みが必要だという。インテルでは、これら複数の無線規格を同時にサポートするマルチバンド端末の開発のほか、異なる規格間で無線ローミングを実現するIEEE 802.21の標準化を現在進めている。

 またインテルは、米Cisco Systemsとの提携も発表した。これは、Ciscoと共同で企業システムでの利用に耐え得る信頼性の高い無線LAN環境を構築していこうというものだ。

 具体的には、継続的に通信セッションを維持できるようなシームレスな無線LANローミングやVoIPの実現、セキュリティ、そしてインテルが進めているリモートでのPC管理フレームワークである「AMT」を、両社の製品でサポートできるようにすることが目標である。

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