総論:優良企業はBIで攻めて守ってNTTドコモの業務プロセスの場合(2/4 ページ)

» 2005年09月07日 06時34分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

「攻め」は戦略の実現

 NTTドコモは、1992年7月の営業開始以降、日本の携帯電話市場を牽引してきた。契約携帯電話の数は、4月現在の数値で4908万台に上る。今後は、テレビ電話をはじめとするマルチメディア化、非接触ICチップを搭載したFelica端末に象徴されるユビキタス化、海外ローミングやiモードサービスの国際展開などを行うグローバル化という3つの発展の方向性を見据えている。

 同社の目の前にある課題として、auブランドを展開するKDDIなどのライバル企業とのシェア争いが挙げられる。なるべく多くの新規顧客を獲得する一方、既存顧客の他社への流出を防がなくてはならない。

 そのために、同社はITをベースにして情報を戦略的に活用することを心がけている。情報システム部情報戦略担当部長を務める久保田明氏は、「戦略を成果に結びつけるためにITを活用して情報を集め、組織としての有効な施策を打っていく」と同社の考え方を示す。

 経営戦略から目標となる各指標(KPI)を設定し、それに基づいて市場分析、顧客のターゲッティングを行う。そして、顧客行動予測モデルを作成した後、次は、利用促進や解約防止を図るプロモーション、チャネルの改善、製品やサービスの開発などの施策を打つという。さらに、その結果を反映した新たなKPIを設定するというのが同社の一連のビジネスサイクルだ。

リアルタイム経営の実践

 また、同社は、業務プロセス、お金、モノの流れと、情報の流れを一致させるリアルタイム経営を情報システムをベースに実践している。NTTドコモのかつてのシステムでは、数回の取引データをまとめてシステムに入力するという作業を、月に数回にわけて行っていたという。そのため、当月の締め日にあたる翌月の初旬まで経営状況を把握することができない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ