総論:優良企業はBIで攻めて守ってNTTドコモの業務プロセスの場合(3/4 ページ)

» 2005年09月07日 06時34分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 一方で、BIを導入した現在のシステムでは、取引が発生するごとにシステムにデータを入力する仕組みが導入された。これにより、常に集計データを捕捉できるようになったため、当月の経営状況を当月中内のいつでも、リアルタイムに把握することが可能になった。たとえば、「ライバル企業が魅力的なキャンペーンを実施した結果、ある営業拠点の売り上げが極端に落ち込む可能性がある」など、営業上の問題点にもすばやく気づき、対応できるため、被害を最小限に抑えられるわけだ。

 また、「ある商品の在庫が底をつくかもしれない」といった情報も取得できることで、大事に至る前に補充の準備をすることもできる。携帯電話のように製品ライフサイクルが短い上に、製造単価が高い製品を扱う場合は特にこうした対応が重要になってくる。

顧客行動を予測して解約を防ぐ

 NTTドコモでは、膨大なデータを分析することによって、顧客行動予測モデルを作成している。予測モデルを構築する以前のシステムでは、データは多いものの、データ間の因果関係が明確になっていなかったために、顧客行動の予測は不可能だったという。それが、顧客行動予測モデルを構築したことにより、「解約しそうな人」などの対象の絞り込みが容易になった。それにより、解約を阻止するための施策にかかる費用を減らす一方で、解約率の上昇も防げるようになっていったという。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ