Microsoft、オープンソースの教祖リクルートに失敗

OSIの共同創設者エリック・レイモンド氏がMicrosoftからのリクルートメールとそれに対する断りの返事を自身のブログで公開した。(IDG)

» 2005年09月10日 07時22分 公開
[IDG Japan]
IDG

 MicrosoftはLinuxとオープンソースソフトに対する態度を軟化させているが、だからといってエリック・レイモンド氏を雇うことができるというわけではない。同社のリクルーターが、オープンソース運動の最も活発な推進者であるレイモンド氏に就職を持ち掛けてきたと、同氏が9月9日のインタビューで明らかにした。

 レイモンド氏は8日、Microsoftのリクルーターから電子メールを受け取り、同社への就職に向けた交渉に興味はあるかどうかと訪ねられた。

 同氏は、そのような誘いを受けても真剣に検討することはまずないと語った。「まったく馬鹿げた誘いであり、馬鹿げた答えで返すしかないと思った」と同氏。

 リクルーターに宛てた返信で同氏は喜んでこの誘いを断り、後にこのメールを自身のブログに掲載した。

 「今日の午後はこれから何をして過ごすつもりでしょうか。リチャード・ストールマン氏とリーナス・トーバルズ氏に就職の誘い? それとももう少し簡単な所を狙ってローマ法王ベネディクト16世に話を持って行き、悪魔崇拝者の乱交の仕切りをしてもらうとか? 実際のところ、私は1997年ごろからずっと、貴社にとって最悪の悪夢とでも言うべき存在です」

 Linux作者のトーバルズ氏は、Microsoftのリクルーターから接触は受けていないと断った上で、レイモンド氏の返答には批判的だと話し、これによってMicrosoftとオープンソースコミュニティーとの対話が妨げられてしまうかもしれないと指摘した。

 レイモンド氏に興味があるのはMicrosoftだけではないらしい。同氏は、MicrosoftのライバルであるGoogleからも最近誘いを受けたと打ち明けた。「同社に対してはもっと丁寧な態度を取った。同社のために働いても構わないと思っている」

 同氏はGoogleから、先に交わした会話についてのフォローアップを待っているところだという。

 Microsoftはコメントを避けた。

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