導入が進む経営管理の標準「CPM」(3/4 ページ)

» 2005年09月26日 00時14分 公開
[伊藤雅彦,ITmedia]

経営ストーリーとデータの因果関係

 前回も述べたように、単なるKPIの羅列を画面に出しただけのシステムで終わってしまったかつてのEIS(Executive Information System)の多くが埃を被って放置された教訓から、今日のCPMシステムあるいはCPM Suiteと呼ばれる一連のアプリケーション群は、戦略マップや指標間連携をビジュアルに映し出しながら、それらがデータベースに連動している。場合によっては日々刻々と動く姿が見られる工夫がなされている。

 戦略マップに集約される視点と指標の因果関係を重視した経営管理手法の1つに、バランススコアカードがあり、CPMといった場合の中心コンセプトである。バランススコアカードは、財務的視点での成功という最終目標に向かって、顧客、社内ビジネスプロセス、学習と成長という3つの視点から順に経営戦略が実行していこうという手法。そして、各々の戦略遂行をKPIによって評価しようというものである。

 また、ベリングポイントでは、それとやや似た概念であるバーチャル・クローズというソリューションを提供している。クローズとはいわゆる「締め」、すなわち決算のこと。通常、月末あるいは四半期末を待たないと得られない結果をできるだけ前広に予想するため、日次、週次に取るべきデータとその解釈を設定し、決算を経なくても経営管理情報としては十分な「締めた後」の結果を予想しようというものである。

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