KDE 4で劇的に変わるデスクトップ(2/3 ページ)

» 2005年10月03日 20時42分 公開
[Tom-Chance,japan.linux.com]

より機能的で美しいデスクトップ

 KDE 4のもっと分かりやすい変化を期待しているユーザーに知ってもらいたいのがPlasmaだ。Plasmaは全く新しいデスクトップシェルをデザインして実装するプロジェクトで、壁紙やアイコンを含めたデスクトップと、パネルとパネルのアプレット、SuperKarambaのようなデスクトップアプレットを組み合わせて、整合性のある革新的な表示を実現する。

 Plasmaの4つの基本コンセプトは、従来のコンポーネントの組み合わせに取って代わるものだ。その4つとはデスクトップ、アプレット、エクステンダ、パネルである。アプレットは作業の管理やデスクトップの管理を支援するもので、時計や、アプリケーションランチャ、ハードウェアから通知される情報など、Plasmaチームが思いつく限りのものを提供してくれる。エクステンダはアプレットに追加情報を表示させる単純な方法を提供する(図1)。パネルはアプレットを連結する方法を提供するものだが、このコンセプトは採用されずにアプレットを自動的にひとつに固定する方法が取られるかもしれない。

Extender concept 図1:初期のエクステンダのコンセプト

 Plasmaチーム(KDE開発者の中核メンバー、有望なデスクトップ開発メンバー、および熱心なユーザーの混成部隊)は順調に進歩している。すでにSuperKarambaをKDE 3.5に統合し、既存コンポーネントをQt4に移植して、現在は以後の作業をサポートするためにフレームワークの見直し作業を行っている。

 その一方でPlasmaフォーラムでは、アプレットのアイディアが考え出され、描き出され、議論されている。注目すべきアイディアとしては、滑らかな半透明エクステンダTenorを使って組み込んだデスクトップ検索アプレットのほか、限られた動作しかしないがFlashを使った人気コンセプトのデモといったものまである。アイデアはさまざまで、かなり変更を加えたもの(タスクバスケットなど)もあれば、グラフィックをわずかに変更したもの(アニメーションのシステムトレイなど)もある。

 KDE 4のデスクトップは3.xで見てきたデスクトップに似ているように見えるかもしれないが、機能と美しさの点ではかなり違ったものとなるだろう。まず、すべてのコンポーネントが大きな構想を念頭に置いてデザインされ、当初からアーティストやユーザビリティの専門家が協力する。またKDE開発者のメーリングリストよりずっとオープンな、Plasmaフォーラムのコントリビュータたちの要求がデスクトップに反映される。XorgとQt4の新しいグラフィカル機能を使うことによって、デスクトップはさらに美しくなるに違いない。

 さらにPlasmaはKHotNewStuffという比較的新しいフレームワークを完全に統合し、これによりKDEアプリケーションは新しいプラグインや、エクステンション、データをWebからダウンロードすることができる。セキュアで無難なアプレット集が利用可能になり、コミュニティー提案が受け付けられるだろう。

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