特集
» 2005年10月14日 08時06分 公開

「次世代」中堅企業はITで利益を出す:売り上げアップを図る積極的なIT活用法 (1/4)

ITは基本的にはコスト削減ツールとして機能する。だが、やはり、企業の成長のためには売り上げアップを目指した活用法も考えてみたい。もちろん、やり方はあるのだ。

[杉山 正二,ITmedia]

  杉山正二(アールエスコンポーネンツ 取締役)

 前回は、中堅企業がITに関してどのような悩みを抱えているか、また、それに対してどのような考え方で対処していけばいいかについて考察した。今回は、一歩踏み込んで、利益の増加という企業にとっての中心的な目標を達成するために、どのようにITを活用していけばいいのか、できる限り具体的な例を挙げながら検討していく。

 利益の増加は、前回も述べたように、売り上げアップ、コスト削減、あるいはその両方を実現することで可能になる。一般的には、売り上げアップによって利益が増える方が、ビジネスの成長を伴っているという意味で高く評価される。

コスト削減でなく売り上げアップを考える

 ここで、企業がより多くの利益を生み出すためのIT活用法について考えてみる。もし、ITを利用することによって、全く新しいビジネスモデルを構築できれば、新たな売り上げの増加を見込むことができる。だが、実際にはそういった例はまれだ。よほどアイデアに自信のある企業でもなければ難しい。利益を増大させるにあたって、ITが最もダイレクトに寄与できるのは売り上げアップよりも、むしろコスト削減の方であることは前回指摘した通りだ。とは言うものの、ITによるコスト削減は既にかなり努力をしてきている企業も多く、やはり、売り上げアップの方法について考えてみたいところだ。

 売り上げアップへのIT活用策の基本は、ITを活用してデータをきちんと把握、分析し、その分析結果に基づいて、適切な商品や活動に資源を集中することにある。幾つか具体的な例を挙げて説明してみよう。

 みなさんの会社では、製品や顧客ごとの売り上げや利益率などを正しく迅速に把握できるだろうか? まずは、自社のデータを確認し、それが可能かどうか検証しよう。もし、それが難しいようであれば、まずITを活用するべき領域はデータの収集である。会社全体の売上高、受注数、顧客数、利益率などを正しく把握することは、言ってみれば定期的に会社の健康診断を実施しているようなものだ。これらを把握したからといって、直ぐに適切なアクションを取れるわけではない。

 ただし、どこに問題がありそうか、より精密な診断を受ける際の参考データは得られる。たとえば、1カ月のアクティブな顧客数(1カ月間に実際に注文をしてくれた顧客の数)もその間の受注数もほぼ変わらないのに、売り上げが落ちているようなケースでは、1つの注文当たりの受注額が減少していることを意味する。

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