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» 2005年10月18日 22時31分 公開

ビジネスプロセスを語るシスコ

シスコシステムズは10月18日より、プライベートイベント「CiscoWave 2005」を開催している。基調講演には米Ciscoのマイク・ボルピ氏が登場し、同社のビジョンを語った。

[三木泉,@IT]

 米シスコシステムズの成長過程で買収や戦略投資を担当し、大きな役割を果たしてきた上級副社長兼ルーティングテクノロジーグループジェネラルマネージャのマイク・ボルピ(Mike Volpi)氏が10月18日、東京で同日より開催している同社のプライベートイベント「CiscoWave 2005」の基調講演に登場し、顧客のビジネスプロセスに直結する技術を展開していくという同社のビジョンを語った。

ボルピ氏 米シスコシステムズの上級副社長、マイク・ボルピ氏

 ビジネスプロセスを支えるネットワーク提供のために同社が追求していくのは、高位レイヤのサービスへの積極的な参加、パートナーとの協業も含めたシステマチックなアプローチ、そしてポリシーに基づく制御機能。この戦略はトランスポート統合、サービス統合、アプリケーション統合の3つの段階に分けて進められていく。

 「従来のアプリケーションとネットワークの間の境界を変革し、最終的にはアプリケーションがネットワークのインテリジェンスを当然のように利用できる環境を作る」

 ボルピ氏は、サービスプロバイダ、企業、中小企業、コンシューマの4つの市場に分けて、シスコによるソリューションの現状と今後を語った。

 サービスプロバイダ市場で同社は、「IP NGN(IPによる次世代ネットワーク)」という構想を展開している。この中では、IPをベースとした単一の統合ネットワークの実現を目指す。ベストエフォート型のネットワークサービスをキャリアグレードに進化させ、さらにトランスポートだけでなくサービス制御メカニズムも統合していく。データ、音声、映像だけでなく、IPコンタクトセンターやモバイルツールなどのアプリケーションにわたる一括制御を実現、「ユーザーはいつどこにいても、一貫した利用環境の下でアプリケーションを利用できるようになる」

 企業向けにシスコが展開しているのは「Service Oriented Network Architecture」。企業の各種拠点をつなぐネットワークに、セキュリティや音声、モビリティなどの要素を組み込んだ「ネットワーク仮想化サービス」をかぶせて抽象化する。これに基づき、ビジネス・アプリケーションやテレビ電話などのコラボレーション・アプリケーションのための「サービス・デリバリ」を実現するという。

 また、アプリケーションレベルでのコンテンツ認識を強化。「パケット内のペイロードデータのシーケンスを分析して、『これは売上伝票』といった識別を可能にし、フィルタリングや優先付けを行う。アプリケーションを中心としたネットワークによって、『リアルタイム・エンタープライズ』を実現していく」

 シスコが「コマーシャル分野」と呼ぶ中小企業向けソリューションでは、「The Whole Offer(全部の要素を提供すること)」がテーマだ。製品に加えてパートナー・プログラム、ファイナンス、サポート、ソリューションをまとめて提供する。シスコはこの分野で、Expressファミリと呼ばれる簡易版製品群やサービス統合製品のISRなどを展開している。

 コンシューマ市場におけるシスコのビジネスは、「リンクシスの買収で根本的に変化した」とボルピ氏は話す。「シスコはローエンドの市場に参入したわけではない。家庭は非常に興味深く、複雑な環境になっている。単純な製品を(ネットワークメディアプレーヤーなどの)新たな製品に変身させるというのがシスコの戦略だ」

 ボルピ氏は総括して、「ルータやスイッチは単機能のデバイスだったが、進化した技術が次々と加わってきている。これにより、データセンターからISP、企業、家庭に至るまで統合し、単一のリッチなサービスを享受できるようにしていく」と表現した。「アプリケーションの形でユーザーが目にすることができるのは10%。残りの90%の見えない部分でシスコはさまざまな高度サービスをまとめ上げ、機能として提供していく」

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