中堅企業のシステム構築の勘所――とにかく早く稼動させるシステムインテグレーターとの付き合い方(7/8 ページ)

» 2005年10月26日 09時02分 公開
[神宮司 剛,ITmedia]

人をないがしろにしない

 業務改革プロジェクトではシステム構築と並行して、新業務を展開する準備を進めなくてはならない。システムをどう使いこなして、新しい業務を行うのかを社内に伝える必要がある。

 このために、新しい業務のやり方をルールや手順に落とし、教育を行い、実行準備を整えていくことが必要だ。しかし、これは新しい仕事のやり方を理解させるに必要なステップではあるが、仕事のやり方を定着させるには十分ではない。

 仕事のやり方を変えられるかどうかは、結局のところ、いかに人を変えられるかにかかっている。組織、業務プロセスやシステムといったハード面での整備だけでなく、従業員のリーダーシップや意識改革といったソフト面の変革が重要なのだ。

 人は教育を受け、理解しただけでは変わらない。実際に自分で行動してみて、その結果についての評価やフィードバックから行動と評価の関連性を繰り返し認識することで、やがて行動の意義を理解し、受け入れ、変わっていくのだ。つまりは、意識改革だ。

 これには、企業業績や個人の貢献に連動したインセンティブプログラムのようなフィードバックや、OJTによる日常的コミュニケーションが、個人、組織の目標と整合性を保って実行される必要がある。

 特に、組織の組織のつなぎ役であるマネジャーやリーダーの役割は重要だ。彼らが組織の目標を理解し、それを部下や後輩に業務を通じて伝えていくことで、全社に改革を定着させることが可能になる。従ってマネジャーやリーダーに対する継続的コミュニケーションや、先行的・重点的な教育を行っていくことが大切だ。

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