中堅企業のシステム構築の勘所――とにかく早く稼動させるシステムインテグレーターとの付き合い方(3/8 ページ)

» 2005年10月26日 09時02分 公開
[神宮司 剛,ITmedia]

経営トップがリードし、業務部門主体で実行する

 業務改革プロジェクトを立ち上げるに際し、どのようなプロジェクト体制を組むかで成功の度合いは大きく変わる。業務が属人的になりがちな中堅企業において、業務を変えることは簡単ではない。組織の末端まで改革を浸透させるための体制を構築する必要がある。

 プロジェクト体制の要件としては3つある。

  • 経営トップがリードすること
  • 業務部門長が実行責任者となること
  • 現場のキーマンをプロジェクトに参画させること

 第一に、プロジェクトの目的を社内に伝え、改革の推進力を高めるために経営トップのリードは不可欠だ。競争するために、儲けるために、何を変えなければいけないのかを経営トップが明確にメッセージしていくことが必要だ。

 次に、プロジェクトの実行責任者は、実際に業務を改革してシステムを使うことになる業務部門の部門長が担うべきである。あるいは、業務とシステムに責任を持つCIO的立場の責任者でもいい。システム関連業務にしか責任を持たないようなIT部門長は、業務改革プロジェクトの責任者には不適切だ。

 最後に、プロジェクトに現場キーマンを参画させることはさまざまなメリットがある。特に改革案を業務に展開する段階で、改革の推進役として現場の抵抗を抑え、納得させる役割を期待できる。少々泥臭い話ではあるが、改革には必ず反対者がいて、得てして影響力を持っていたりする。彼らをいかにプロジェクトに巻き込むかで改革の実行スピードは大きく変わる。

 さて、これでプロジェクトのビジョンや目標が示され、体制も整った。次にプロジェクトを進めるに際しての要点をまとめたい。これについては、さまざまな議論、主張があるが、中堅企業の業務改革プロジェクトに携わってきた実感として、以下を要点として取り上げたい。

  • 業務をどうするかが先、システムは最後
  • システムはとにかく早く、なるべく作らずに稼動させる
  • 外部パートナーをうまく活用する
  • 人をないがしろにしない

 これらの要点について詳しく見ていこう。

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