中堅企業のシステム構築の勘所――とにかく早く稼動させるシステムインテグレーターとの付き合い方(6/8 ページ)

» 2005年10月26日 09時02分 公開
[神宮司 剛,ITmedia]

外部パートナーをうまく活用する

 人材が不足しがちな中堅企業こそ外部パートナーを有効に活用したい。先に述べたように、プロジェクトの取り掛かりでつまずかないために、どう業務を行えば競争するための品質とスピードが担保できるか、組織や制度は適切か、といった検討に力を注がなければならない。ここで、客観的な視点で課題を把握し、具体的な改革案をともに検討してくれるコンサルタントは心強いパートナーだ。コンサルタントの活用については、前回の記事を参考にしてほしい。

 ここでは、システムインテグレーターとのつきあい方について触れたい。

 中堅企業では、ほとんどの場合、システム構築を外部のシステムインテグレーターに委託することになる。システムインテグレーターとどうつきあえばいいのだろうか。

 金額を叩く、一方的に要求を押し付けるといった下請け扱いは禁物だ。パートナーとして長くつきあえる関係を構築することが結果として自社のメリットになることを認識したい。気持ち良く仕事することが良い成果に繋がることは、システム構築においても同じだ。

 一方で、特にシステム構築に不慣れな企業は、ベンダーにいいようにやられないようにすることも必要だ。以下を実践すれば「甘く見られる」ことは少なくなる。

  • 複数のベンダーに提案を行わせ比較評価を行う。金額だけでなく、パッケージの適合度合い、プロジェクトの体制・進め方を確認する。
  • カタカナ用語や専門用語を分かったふりをしない。顧客が分かるよう説明するのは彼らの義務だ。
  • 任せきりにしない。体制、スケジュール、進め方を確認し、定期的な進捗報告、課題報告を受け、検収作業はしっかり行う。
  • 契約は複数に分ける。提案時の見積金額で契約を結ぶのは危険。要件定義や基本設計のあとで、再見積を行う。金額が変わったら説明を求める。

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