日本HPは自らの経験をSOAサービス提供に生かすBEA World 2005 Tokyo Report(2/2 ページ)

» 2005年10月26日 20時13分 公開
[谷川耕一,ITmedia]
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投資対象を限定し再利用化とユーティリティ化

 SOAの実現のためにHPが最初に着手したのは、EA(Enterprise Architecture)の整備だ。EAにより、IT戦略の可視化と体系化を徹底して行ったという。次の段階では、EAに基づいて明らかになったビジネスプロセスのうち、プロセスがきちんと定義されているものだけに投資するということを重視した。つまり、途中で変わる可能性があるプロセスには投資しないということだ。

 実際にSOAシステムを構築していく段階では、どのプロセスが再利用可能か、あるいはユーティリティ化できるかを検討し、それを実装するようにしたという。従来型のシステムでは、アプリケーションごとにインフラが存在し、それぞれのシステムは独立していた。

 これを、ミドルウェアを利用してインフラを共有できるようにし、その上に部品化したモジュールやサービスを積み上げるように組み上げたという。今回のSOA化の流れの中で、たとえば人事は95%、会計は83%の部分がワールドワイドで共通化できる。

 これに対してセールスやサプライチェーンでは、共通化できる部分は50%程度になることが分かったという。だが、SOAの完成度を上げるためには、社内だけで対応していたのではうまくいかない。外部のビジネスパートナーとの連携が不可欠になる。

 しかしながら、すべてのパートナーがXMLで情報交換することは不可能であるため、EDIも利用しなくてはならない。さらに、システムのパフォーマンス保証や異なる環境下で相互接続性を確立することが難しいことも、実際の経験として理解できたとしている。

 日本HPでは、こうした自社の経験を十分に生かして顧客にSOAのサービスを展開していくという。石積氏は、「日本にはSOAの技術者が現在100名いる。これを一気に400名体制にする」と話し、今後のSOAサービスの展開に注力していくことを強調した。

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