中堅向けサーバ市場は各社が団子レース、抜け出すためのキーワードはWindows NT ?チャネル再考の必要も(3/3 ページ)

» 2005年10月28日 08時17分 公開
[伊嶋 謙二,ITmedia]
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サーバメーカーは今後もブランドにかかわらずさまざまになりそうだ

 次に、図3と4は、それぞれ導入サーバのメーカー別シェアと今後の導入予定を示すものである。中堅企業に注目すると、導入サーバのメーカーシェアでは、NECが22.8%でトップ、富士通が21.2%、IBMが19.4%と続く。導入予定のメーカーシェアでも同順位である。

 年商30億円未満の領域で、デルが勢いを増すほかは、全体的に大差はない。年商100億円以上の中堅上位層から大企業ではIBMが強く、中堅では、NEC、富士通が強い、と近年の傾向を反映している。

図3.導入サーバのメーカー

 とはいうものの、かつてのように、「サーバといえばNEC」というような突出した現象はなくなり、ブランドにかかわらない、偏りのないシェアになってきた。

 メーカー側としては、今後、デルの直販体制に押され続ける可能性が大いにあり、より強固なチャネル戦略をとる必要性があるだろう。(図3、4)

図4.導入を検討しているメーカーシェア

 以上、中堅企業の今後のサーバ導入予定を紹介してきた。ここで明らかになったのは、サーバ導入に関しても、企業戦略を重視した方向性へと進んではいないということだ。いくら世間でIT化と騒ぎ立てても、社内のコア・コンピタンスにかかわる部分でITを積極活用する気がなければ、それではIT化の本質が見失われる恐れがある。

 もう一度、ITの積極的活用によって「ヒト、モノ、カネ、情報」を無駄なく有効活用する道を模索すべきではないか?

 次回は、Windows NTという2世代前のOSが依然として“使えてしまう”背景を掘り下げて考えてみる。これは中堅企業に限定した話ではないが、前回指摘した通り、使用中のサーバOSはWindows 2000 Serverの次に、Windows NTが多かった。ご承知の通りWindows NTのベンダーによるサポートは04年末に停止している。それにもかかわらず、この現状というのはどうしてなのか?

 その背景にあるのも、実はITの戦略的“未”活用なのである。

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