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» 2005年12月06日 18時39分 公開

Red Hatの将来は「ステートレスLinux」がポイントに?

Red HatのCTO、ブライアン・スティーブンス氏が来日し、同社の将来がどういった方向に進むかテクノロジーのロードマップと併せて語った。

[西尾泰三,ITmedia]

 「将来、わたしたちに大いなる機会を提供するであろう分野は、『All PC Project』で開発を進めている」――Red HatのCTO(最高技術責任者)、ブライアン・スティーブンス氏はこう話し、同社のOpen Source Architectureの方向性を示した。

Red HatのCTO、ブライアン・スティーブンス氏。DECおよびCompaqで上級テクニカルスタッフとして14年間を過ごしたことも

 スティーブンス氏は、同社が一つのマイルストーンとして掲げていた100万サブスクリプションを達成したことを挙げ、自社のビジネスが順調であることをアピール。さらなる成長のために、「地域」「ソリューション」「プラットフォーム」「新規ユーザー」といった観点から、BRIC(ブラジル、ロシア、インド、中国)諸国への積極的な投資、SMBをターゲットとするソリューションの提供、開発環境の充実などを行っていくと説明した。

 また、テクロノジーのロードマップについても触れた。同社は先日、向こう2年間の技術計画を発表しているが(関連記事参照)、基本的にはそれに沿ったものを繰り返し説明した。

 同社が掲げるOpen Source Architectureではこれまで、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)をプラットフォームに、さまざまなインフラ要素の課題を解決することに注力してきた。そして、今後、信頼性を高めつつも管理面での負担を少なくすることで、さらなるTCOの削減が期待できるという。

 「システム管理のコスト増の要因となる人件費が増加しないような方向性を考える必要がある」(スティーブンス氏)

 これを実現する技術として挙げられたキーワードが「セキュリティ」「仮想化」「ステートレスLinux」の3つ。セキュリティ面ではSELinux、仮想化では最近3.0がリリースされたXenがそれぞれ具体的なソフトウェアとして挙げられる。

 ステートレスLinuxは、物理的なシステムから「設定」を解放しようとする試み。具体的には、個別のマシンに保存されているユーザーデータやアプリケーションデータを、ネットワーク上に移し、どこからでも参照可能にしようとするもの。仮想化技術と組み合わせれば、OSインスタンスではなくバーチャルマシンを増やすことで対応できるため、結果として管理すべきリソースを一カ所にまとめることができる。このことは管理面での負担を大きく軽減し得ることを意味する。

 「(前述の3つのキーワードで)優先順位をつけるなら一般論としては仮想化が重要といえるかもしれない。しかし、わたしたちはいずれもほかに劣らぬ重要性を持っていると考えているし、さらに言えば、それらを支えるFedora Projectの重要性は強調してもし過ぎることはない」(スティーブンス氏)

 こうした方向性の延長線上には、シンクライアントをサーバ上に仮想化するソリューションも考えられる。スティーブンス氏は社内で新技術チームを率いており、この取り組みを「All PC Project」と呼ぶプロジェクトで進めているという。同プロジェクトはいずれはFedora Projectに統合され、将来のRed Hat Enterprise Linuxに実装されるであろうと述べた。

 このほか、開発体制の強化として、アジアにも開発拠点を設ける可能性を示している。

 「東京に開発拠点を設ける可能性は高いが、あくまで未定。現在はパートナーである富士通や日立などのエンジニアが弊社に常駐しているが、その逆を行うことも考えている」(スティーブンス氏)

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