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» 2006年01月24日 09時15分 公開

こんな時期だからこそ知っておきたい企業のファイナンス:新株発行規制などについての改正 (1/3)

会社の資金調達の方法の一つとして、新株発行がある。従来は過剰な規制が存在していたが、最近ではその規制が緩和されつつある。株式会社ならば知っておきたい新株発行規制の最新情報をお届けする。

[第一法規]

lalalaw資金調達の円滑化、迅速化を図るために、新株発行に関する規制が緩和されたようですが、その概要を説明してください。


lalalaw会社の資金調達の円滑化、迅速化を図るために、<1>市場価格がある株式を公正な価額で発行するときには、公正な価格の決定方法を決議し、公告すれば足りることとなり、<2>株主総会における新株の有利発行決議の有効期間を延長し、また、<3>発行する新株の全部が発行会社との契約により引き受けられる場合に株式申込証の作成を免除するなど、従来からの新株発行に関する過剰な規制を緩和しました。

解説

1.新株発行の発行価額の算定方法

(1)改正の内容

 改正法では、市場価格がある株式を公正な価額で発行するときには、具体的な価額ではなく、公正な価格の決定方法と認められている方法を決議し、公告すれば足りることとなり、あえて具体的な発行価額の決定・公告に及ばないとしました。

 現在市場価格がある株式を時価で発行する場合、機関投資家などへのヒアリング、需要の積み上げなどを通じて価格を決定するブックビルディング方式が採られており、これが「公正な発行価額の決定方法」に該当するものとされています。

(2)改正の趣旨

 従来は市場価格がある株式を時価で発行する場合でも、取締役会決議で新株の発行価額を決定し、その発行価額を払込期日の2週間前に公示する必要がありました。

 そのため市場価格がある株式について新株を公募発行する場合、株価の変動リスクを避け、公正な発行価額を決定するためには、発行価額の決定日と払込期日を近接させる必要から、取締役会でいったん発行価額以外の決議事項を決定した上で、その後に改めて、市場における需要や株価の動向を踏まえて発行価額を決定する方法が採られるのが通常であり、このように発行価額を決定した後に払込期日の2週間前の公告を行うという実務が採られてきました。

 その結果、最初の新株発行決議から新株の発行まで、標準的日程で1カ月程度掛かる上、株式引受人が約2週間株価変動リスクを負担していました。

 改正法は、新株発行日程の短縮による資金調達の機動化と株価変動リスクの低減を目的として、市場価格がある株式を公正な価額で発行する場合には、発行価額ではなく発行価額の決定方法を取締役会で決議し、それを公示すれば足りることとしました。

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