BorlandがIDEを売却へ――今後の展開を注視するユーザーたち（2/2 ページ）

[Darryl K. Taft，eWEEK]

　アトランタにあるXtrasのマイク・シンケルCEOは、BorlandのIDEツールを獲得しようとする可能性の高い企業として、Novell、Salesforce.comおよびGoogleを挙げている。

　「NovellがBorlandのIDEを手に入れた場合、同社はMicrosoftのVisual Studioと真正面から対抗する可能性もあるが、それよりも、このIDEをMonoに合わせて最適化することになるだろう」とシンケル氏はブログに書いている。

　シンケル氏によると、BorlandのIDEツールの買収で最も多くのものを得るのがSalesforce.comだという。

　「同社のAppExchange戦略から判断すれば、マーク・ベニオフCEOはBorlandのツールセットを獲得し、これをSalesforce.comのAPIのプログラミング用に最適化する可能性がある。マークは、Salesforce.comのローカルキャッシング用のエンジンとしてInterbaseを利用する可能性もある。マークが買収すれば、BorlandのIDEツールの信奉者にとって朗報になるだろう。しかしマークがこういった買収から最大のメリット得るには、Enterprise Edition以上の製品のユーザーだけでなく、Salesforce.comのすべての顧客が自由にAPIにアクセスできるようにすることが不可欠だ」（同氏）

　シンケル氏は、Googleについては予測がつかないとしている。

　「Googleが広範なWebサービスとAPIを提供していることを考えれば、素晴らしい開発ツールセットをこれに加えることは大きな意味がある。彼らはすでに、Google Packという形でダウンロード可能なソフトウェアを提供する方針を明らかにしている」とシンケル氏は述べている。

　「Googleが買収した場合は、すべてのBorland製品がhttp://devtools.google.comから無償でダウンロードして利用できるようになると予想される。これはすごい市場シェアになるだろう。Microsoftにとっては非常に恐ろしいことだ。おそらくこれは、BorlandのIDEツールの信奉者にとってベストなシナリオであり、ビッグM（Microsoft）とビッグG（Google）の勢力バランスをさらに崩すものとなるだろう」（同氏）

　一方、古くからのBorland IDEのユーザーであるマグルーダー氏は、昔を懐かしがっている。

　「数々の歴史と伝統を持つBorlandの名前がなくなるのは残念だ。しかしわれわれが知っていたBorlandはとっくの昔になくなった」とマグルーダー氏は話している。

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