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» 2006年04月11日 07時00分 公開

Vistaリリースを正常化させる、たった一人のリーダーとは?(1/2 ページ)

Windowsクライアントの開発と関連のオンラインサービス事業はSteven Sinofsky氏の監督下に置かれ、従来のWindowsクライアント部門は解散となった。しかし、誰であれ、Windows Vistaのリリース延期をもたらした各種の問題に、たった一人のマネジャーで対処しきれるかどうかは定かではない。

[Rob Helm,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 プラットフォーム&サービス部門の共同社長Kevin Johnson氏による2006年3月の組織再編に伴い、Windowsクライアント/オンラインサービス事業は新たな経営陣の下に置かれ、近く退任を予定している同部門の共同社長Jim Allchin氏の退任後はJohnson氏が一人で同部門を統括することになった。特筆すべきは、Officeチームを長年率いてきたSteven Sinofsky氏が同部門に加わり、WindowsクライアントとWindows Liveの設計を引き継ぐことになった点だ。Sinofsky氏には、これまでOfficeをスケジュールどおりに規則正しくリリースしてきた実績があるが、同氏であれ、ほかの誰であれ、Windows Vistaのリリース延期をもたらした各種の組織的問題にたった一人のマネジャーで対処しきれるかどうかは定かではない。

Sinofsky氏が任命された真の理由

 Windowsクライアントの開発と関連のオンラインサービス事業はSinofsky氏の監督下に置かれ、従来のWindowsクライアント部門は解散となった。

Vista救済のためではない?
 Sinofsky氏はWindows/Windows Liveエンジニアリング担当上級副社長に任命された。同氏は、Vistaの次にリリースされるWindowsクライアント「Vienna」の設計も統括する。さらにSinofsky氏は最高技術責任者(CTO)のRay Ozzie氏と協力し、GoogleやYahoo!に対抗するための次世代オンラインサービスの計画に当たる。具体的には、同氏はデスクトップ/Web検索のほか、Windows Liveサービス向けのデスクトップクライアント、Windows Live Expo(オンラインクラシファイド広告サービス)などのコンシューマー向け電子商取引サービスなどの開発を統括する。こうしたサービスはいずれも、Windowsに組み込まれる可能性のある機能としてだけでなく、Windows部門の新事業およびGoogleに対抗するための新兵器としても戦略上重要なものとなるだろう。

 Sinofsky氏はインフォメーションワーカーセグメントからの異動となる。同氏は1994年以降、インフォメーションワーカーセグメントでOfficeプログラムの管理を担当し、その後、Office 95からOffice 2003まではOfficeの開発全体を統括してきた。Sinofsky氏は1989年にMicrosoftに加わり、その後4年間は開発者ツール部門に勤務していた。また同氏には、Bill Gates氏の技術アシスタントを務めた経験もある。

 Office部門では、Sinofsky氏は2年〜3年おきのペースで着実に新版をリリースし、一方では、事業を通常のOfficeパッケージから、収益性の高いProject Serverなどのサーバ製品へと拡大した。こうした実績は一部には、「Microsoft技術の統合」に対する堅実なアプローチによって達成されたものだ。例えば、Windows Vistaとほぼ同時期のリリースが予定されているOffice 2007には、Vistaの技術はほとんど統合されない。新技術への依存、特にVistaのようにリリーススケジュールが不確かな技術への依存を避けることで、MicrosoftはこれまでOfficeを定期的にアップグレードすることができてきた。

 だが、Sinofsky氏は確かにVistaの再度のリリース延期の発表に続いてWindows責任者に任命されたものの、一部で憶測されているように、同氏はWindows Vistaの開発プロジェクトの救済のためにWindows部門に送り込まれたわけではなさそうだ。それよりも、Sinofsky氏がWindows責任者に任命されたのはおそらく、Windows Vistaの設計段階が終了し、同製品の設計チームの一部が新マネジャーの下でViennaの開発作業に取り組めるようになったということなのだろう。

Windowsクライアントとコアチームの組織形態


Windowsクライアント部門は解散

Will Poole氏は新設部門へ
 Poole氏が統括してきたWindowsクライアント部門は事実上、解散となった。同部門はこれまでWindowsクライアントの設計を担当し(現在はSinofsky氏の配下)、Windowsデスクトップ事業の損益責任を負っていた。

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