Winny経由の情報流出対策、第一歩は「社内の状況把握から」とNEC

NECは4月12日、Winny対策の第一歩として、無許可PCの接続を検知/遮断するアプライアンス製品の新版「InterSec/NQ30b」の販売を開始した。

» 2006年04月12日 19時55分 公開
[ITmedia]

 NECは4月12日、セキュリティ管理システム「CapsSuite」の機能を強化し、無許可PCの接続を検知/遮断するアプライアンス製品の新版「InterSec/NQ30b」の販売を開始した。

 CapsSuiteは、企業ネットワークに接続された端末の把握とパッチ/ウイルス対策ソフトの導入、更新状況の管理、パッチの適用といった機能を備えたセキュリティ管理システム。オプションを組み合わせれば、いわゆる検疫ネットワークの実現が可能なほか、管理サーバである「WebSAM SecureVisor SiteManager」を連携させることで、私用PCなど、管理者の許可を得ずに持ち込まれる端末の検知、接続遮断を行える。

 新製品のInterSec/NQ30bは、CapsSuiteと連携して未許可PCを検出するWebSAM SecureVisor SiteManagerの機能をアプライアンス化したもの。ネットワークセグメントに1台配置することにより、パケットを検査し、MACアドレスを参照して勝手に持ち込まれたPCが存在しないかどうかを検査できる。

 従来製品と機能は同等だが、筐体の薄型化を図り、ラックへの収容にちょうどいいサイズにした。マグネットを使って机の側面などに取り付けることも可能という。

 NECではInterSec/NQ30bによる無許可PCの検知を、ウイルス感染による情報流出の大きな経路となっているP2P型ファイル共有ソフト「Winny」を管理する第一歩と位置付けている。

 「まずは持ち込みPCを監視し、社内の状況がどうなっているかを把握することが重要」(同社)。その次のステップとして、CapsSuiteが備えるアプリケーションのインストール状況把握/管理機能により、WinnyがインストールされているPCの把握、削除指示といった運用を行えるよう支援する。さらに一歩進んで、オプションの「PC検疫システム」を組み合わせることにより、WinnyがインストールされたPCを隔離し、社内ネットワークへの接続を禁止することも可能という。

CapsSuiteによる検出 CapsSuiteによりWinnyがインストールされているPCを把握し、削除を指示する画面を表示させることも可能

 NECでは自社内でこのシステムによる端末管理を実施してきた。場当たり的な対策に終わるのでなく「継続的なリスク管理を行い、社内で何が起こっているかを把握できるようになる点が特徴」という。

 InterSec/NQ30bの価格は18万7000円。管理ツールの「WebSAM SecureVisor Ver2.2」を組み合わせた最小構成の価格は49万7000円となる。NECでは、暗号化機能などを提供するコンテンツセキュリティ製品「InfoCage」の強化や、P2Pなど、業務に不要な通信を検知/遮断する機能を備えたアプライアンス型ファイアウォールの提供なども予定しているという。

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