このようにパワープラットフォームを利用して開始したASPサービスは、コスト面で大きな導入効果を発揮している。セキュリティパック2の基本プランで掛かるコストは、初期コスト11万2000円+月額のサービス料金12万5000円だ。サーバ1台構成の「セキュリティパック1」であれば月額9万9000円から利用できる。ゆうむのケースでは、サーバ2台のメモリを2GBに増設し、さらにWAN側だけでなくLAN側のネットワークも100Mbpsの帯域に変更。UTM機能としてのファイアウォールおよびIPS機能に加え、バックアップサービスなどのオプション料金を含めても、コストはハウジングサービスの導入に比較してかなり低く抑えられたという。
また、運用管理を行うための「セキュリティポータル」(画面2)というモニタリングサービスがパワープラットフォームに用意されており、セキュリティパックで利用するProventia M10のログなどをWebから閲覧できるようになっている。
「ユーザーが増えた場合に備えて、システムのモニタリングサービスをオプションで追加して状態を監視している。パワープラットフォームホスティングサービスでは設置サーバの台数に制限がないため、状況に応じて順次サーバも増強していきたいと考えている」(ゆうむ取締役常務の吉竹勝正氏)
「今後は美容室向けの顧客管理システムだけでなく、我々が開発した従来のメーカー生産管理システムなどもWebアプリケーションに移行し、ASPサービスとして展開する予定。その際にもパワープラットフォームホスティングサービスを利用することになるだろう」(ゆうむ 吉竹氏)
現在、UTMアプライアンスは中堅・中小企業を中心に導入が進んでいる。今後は自社での導入・運用だけでなく、UTMアプライアンスを利用したホスティングサービスによって、手軽にセキュリティを確保できるビジネスインフラとしての応用事例も増えてくると予想される。
NTTコミュニケーションズでは、UTMアプライアンスとしてProventia M10だけでなく、さらにスループットの高い上位モデルのM30、M50のサポートも開始している。また、オンデマンドホスティングサービス「AGILIT(アジリット)」にも、このようなセキュリティサービスを拡充していく方針だという。
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