ASPを支えるUTM――ホスティング業界初のIPS機能で顧客データを保護UTM――急成長する中堅企業の「門番」(3/3 ページ)

» 2006年04月26日 07時30分 公開
[井上猛雄,ITmedia]
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IPSを含めたUTM機能を月額約10万円で専有

 このようにパワープラットフォームを利用して開始したASPサービスは、コスト面で大きな導入効果を発揮している。セキュリティパック2の基本プランで掛かるコストは、初期コスト11万2000円+月額のサービス料金12万5000円だ。サーバ1台構成の「セキュリティパック1」であれば月額9万9000円から利用できる。ゆうむのケースでは、サーバ2台のメモリを2GBに増設し、さらにWAN側だけでなくLAN側のネットワークも100Mbpsの帯域に変更。UTM機能としてのファイアウォールおよびIPS機能に加え、バックアップサービスなどのオプション料金を含めても、コストはハウジングサービスの導入に比較してかなり低く抑えられたという。

 また、運用管理を行うための「セキュリティポータル」(画面2)というモニタリングサービスがパワープラットフォームに用意されており、セキュリティパックで利用するProventia M10のログなどをWebから閲覧できるようになっている。

画面2 画面2●セキュリティパックのユーザーは、SOCからのインシデント情報や、IDS/IPSセンサーのイベント分析情報などを閲覧できるポータルサイトを利用する。UTMアプライアンスのログなどもここに表示される

 「ユーザーが増えた場合に備えて、システムのモニタリングサービスをオプションで追加して状態を監視している。パワープラットフォームホスティングサービスでは設置サーバの台数に制限がないため、状況に応じて順次サーバも増強していきたいと考えている」(ゆうむ取締役常務の吉竹勝正氏)

写真4 ゆうむ取締役常務の吉竹勝正氏

 「今後は美容室向けの顧客管理システムだけでなく、我々が開発した従来のメーカー生産管理システムなどもWebアプリケーションに移行し、ASPサービスとして展開する予定。その際にもパワープラットフォームホスティングサービスを利用することになるだろう」(ゆうむ 吉竹氏)

 現在、UTMアプライアンスは中堅・中小企業を中心に導入が進んでいる。今後は自社での導入・運用だけでなく、UTMアプライアンスを利用したホスティングサービスによって、手軽にセキュリティを確保できるビジネスインフラとしての応用事例も増えてくると予想される。

 NTTコミュニケーションズでは、UTMアプライアンスとしてProventia M10だけでなく、さらにスループットの高い上位モデルのM30、M50のサポートも開始している。また、オンデマンドホスティングサービス「AGILIT(アジリット)」にも、このようなセキュリティサービスを拡充していく方針だという。

  • 社名:株式会社ゆうむ
  • 所在地:神戸市中央区海岸通8番神港ビル
  • 設立:1999年
  • 資本金:3000万円
  • 事業内容:投資支援システム、ニットウェアデザインシステム(CAD/CAMシステム)、レッグニット(靴下)メーカー生産管理システム、横編機コントローラ、歯科医院レセプト・患者管理システム、美容室携帯予約・顧客管理システムなどの開発・販売

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