アメリカ合衆国第35代大統領JFKの記録のデジタル保管に向け、JFK図書館と米EMCが取り組んでいる。文書840万ページ、20万枚の写真、800万フィートのフィルムなど記録のデジタル化を進める。
ボストンのダウンタンウンを入江越しに望めるコロンビアポイント。ここにジョン・F・ケネディ大統領図書館(John F. Kennedy Presidential Library&Museum)が1979年に設立された。ここマサチューセッツ州出身のアメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディ氏にまつわる記録を保管し、研究者や学生などに公開している。これまで世界中から500万人を超える人が訪れている。
JFK図書館に保管されている資料は、文書840万ページ、20万枚の写真、7000時間の音声、800万フィートの映画フィルムなどと膨大だ。ケネディ元大統領の個人的な記録から大統領文書などが官民の協力で保管されている。
図書館の責任者は「20世紀の資産のため、そのほとんどが紙だ。これは図書館の職員にとって管理が大変でもある。こられをどのように多くの人に提供していくかで格闘している」と話す。
そこで、これら記録のデジタル化するプロジェクトが現在、進行している。しかし、単にデジタル化すればいいとういわけにはいかない。「記録を未来に引き継いでいくには、永遠の長期保管を考えなければならない。災害からも安全であるか、フォーマットの変化に耐えられるか、などデジタル化を行う上でさまざまな課題がある」。また、映画フィルムなどは高画質に保存しなければならず、多くのストレージ容量も必要となる。
この図書館の記録のデジタル化で協力することが決まったのが、ボストンが地元とも言えるストレージベンダーの米EMCだ。CAS(Contents Address Storage)呼ばれるストレージシステム「Centera」などを中心にデジタル保管のためのシステムを提供する。CASは、変化することのないフィックスコンテンツと呼ばれるコンテンツの保管に向いた製品で、大量のアーカイビングに対する管理プロファイルを提供したり、検索性の高さを特徴としている。
JFK図書館とEMCは今後、システムの展開を図っていく予定だという。
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