MS管理テクノロジーの“穴”を埋める2つの新プロジェクト(2/3 ページ)

» 2006年05月31日 07時00分 公開
[Peter Pawlak,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 資産管理ソリューションとしても、SMSは役不足だ。一部のPCハードウェアについてはトラックできるが、プリンタやモニタなどの機器をトラックすることはできないうえ、購入金額や減価償却費、サポート契約などの非技術的な情報をトラックする機能を完全に欠いている。

 このためMicrosoftは、完全なCCMおよび資産管理の実現には、Peregrine、PS'Soft、Remedyなどの企業のソリューションを利用するよう顧客を誘導してきた。

 Microsoftは、Microsoft Operations Framework(MOF)に基づいた管理ツールおよびテクノロジーの開発に取り組んできている。MOFは、ITIL(IT Infrastructure Library)を基準とするIT運用プロセスのガイドラインだ。ITILは、ITサービス管理および施設計画のベストプラクティスを包括したIT業界で一般に認められている一連のガイドブックである。SMSおよびMOMは、このようなシステムの要素とはなり得るが、MOFガイドラインにおいて鍵となるヒューマンワークフローやヒューマンプロセスの支援や実施は行えない。

Service Deskの開発に至る背景

 長年Microsoftは、特にMOFのガイドラインに従ってシステム管理およびユーザーサポートの完全なインフラストラクチャを構築しようとした場合に、手間も資金もかかる製品統合が必要な領域が多すぎることを認識してきた。2005年4月のMMSにおいて、Windows & Enterprise Management Division担当コーポレートバイスプレジデントであるKirill Tatarinov氏は、MicrosoftがITサービス管理ソリューションの調査に乗り出していることを明かした。それから間もなく、同社は市場調査を終えて既存製品の中には同社がリストアップした要件を満たす製品がないことを突き止めたうえで、独自のIT“サービスデスク”製品をゼロから開発することを決め、この計画を2006年4月のMMSで発表するに至った。

 競合メーカーの多くは10年以上も先んじているが、Microsoftは以下のような理由から十分競争力のある製品を開発できると考えている。計画されている製品はコード名でService Deskと呼ばれ、2007年末までにリリースされる予定だ。

  • MicrosoftはService Deskの開発基盤として利用できるプラットフォームテクノロジー(Windows、Active Directory、Visual Studio、SQL Server、SharePoint、ExchangeおよびOutlook、InfoPath、そして新たに導入されたWindows Workflow Foundation)を擁しており、他のソフトウェアベンダーのOSやデータベースエンジン、関連コンポーネントをサポートする必要がない。
  • Service Deskと他のSystem Center管理製品(SMS、MOM、Reporting Manager、Data Protection Manager、および新たに導入されたPowerShellスクリプト環境)とを密接に統合することができる。サードパーティのシステム管理製品と統合できるようにService Deskの相互運用性を確保しようとした場合は、デザインが複雑になったり、何らかの妥協が必要になることが考えられるが、このような問題を考慮する必要はない。
  • 自社のIT部門がITサービス管理の豊富な経験があり、重要な設計上のアドバイスを提供したり、製品のβテストを実施できる(Microsoftでは、今後2年以内にIT部門のシステムを完全にService Deskに移行する予定である)。

Service Deskの概要

 Service Deskはβも開始されていないうえ、詳しい仕様も公開されていないが、SQL Serverベースの構成管理データベース(業界ではCMDBと呼ばれる)を基盤に開発される見込みだ。このデータベースには、Service Deskの3つの主要モジュール(インシデントおよび問題管理、資産ライフサイクル管理、変更管理)のデータが格納される。

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