ドリコムブログ、利用規約変更にユーザー反発を受けて釈明

ドリコムブログは利用規約の一部変更を発表した。ユーザーが作成した著作物を利用する際、会員承諾を得るとしていたが、承諾なく自由に利用できると変更された点についての対処だ。

» 2006年06月13日 16時44分 公開
[ITmedia]

 ドリコムジェネレーティッドメディアが運営するブログサービス「ドリコムブログ」は6月9日、「ドリコムブログ運営者ブログ」において、利用規約の一部変更を発表した。

 適用個所は、同サービスの第14条「著作権」であり、変更前は「会員が本サービスを利用してつくったすべての著作物(以下、会員著作物)を、出版物等に利用する場合、本人の承諾を得るものとします」となっていたものから、「本サービスの宣伝または広告等を目的として、会員の承諾を得ることなく、会員著作物の情報を自由に利用することができるものとします」へと変更されている。

 また、免責事項も「会員著作物を、出版物等に利用する場合、本人の承諾を得るものとします」から「本サービスの宣伝または広告等を目的として、会員の承諾を得ることなく、会員著作物の情報を自由に利用することができるものとします」へと変更された。

 これに対して、多くのユーザーからコメントやトラックバック、サポート窓口を通じて反発が寄せられた。

 それを受けて翌10日には、「利用規約の変更に関しまして」として、今回の変更はあくまでもユーザー向けの新規サービス展開を図るためのものであり、ユーザーに不利益を生じさせるものではないものと表明。さらに著作権については、原則ユーザーに帰属するもので、あくまでも広告・宣伝、利用促進の目的に限り、利用することを想定しているとしている。

 しかし、この発表に関しても、利用範囲がどこまで適用されるのか不透明などといった反発が寄せられている。

 ブログの著作権に関しては、2004年11月にもlivedoor Blogが同様の変更を加え、それが他社サービスにも飛び火して物議をかもしたことがある(関連記事)。ドリコムブログの規約変更もその時とほぼ同趣旨のものであったことから、今後の対応が注視されていた。

 再度説明が行われたのは、12日19時27分のこと(タイムスタンプベース)。「著作物の扱いについて」「著作物の情報を、どのように利用するか」の2点について説明が不足していたとして、「利用規約の変更に関しまして (2)」がアップされている。

 ここではまず、著作権はユーザーに帰属するとされ、利用されるのはあくまでも「会員著作物の情報」であり、「会員著作物」そのものではないと説明している。

 会員著作物の情報の利用とは、「記事中に出現する単語から、記事がどのような内容に分類できるかを判断し、内容に応じた広告を出したり、内容に応じたカテゴリ分けを行ったりする」といった、あくまでも著作物に関する二次的情報の利用という説明が加えられた。

 従来の規約のままでは、利用が促進されているコンテンツマッチング広告のためのコンピューターによる記事内容の解析などの機能が規約に抵触する可能性もあり、実際にユーザーからの問い合わせもあったという。同社は、ユーザーに対してこの利用範囲について理解された上でサービス利用をしてほしいとしており、規約改正に踏み切ったという。

 今回の説明に関しては、多くのユーザーは安堵の反応を示している。しかし、規約自体に書かれていないことに対する不安が払拭しきれない、という意見も散見された。これらの意見も踏まえて、最終的に同社がどう対応するかに注視したい。

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