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» 2006年06月23日 16時14分 公開

MS、金融サービス向けHPCソリューション提供へ

Microsoftのソリューションは、Windows CCS 2003 HPCクラスタ上にExcelとSharePoint Severを組み込み、「将来の標準的なモデリング・トレーディングプラットフォームになり得る」。

[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftは、同社の高性能コンピューティング(HPC)プラットフォームをベースにした技術を導入し、金融サービス市場でのシェアを拡大するための計画を実行に移している。

 6月21日のSIA(Securities Industry Association)Technology Management Conferenceで、MicrosoftはHewlett-Packard(HP)、Digipede Technologiesなどのパートナーと、同社曰く「将来の標準的なモデリング・トレーディングプラットフォームになり得る」ものを披露した。

 このソリューションは、「Windows CCS(Compute Cluster Server)2003 HPC」クラスタ上にMicrosoft Office ExcelとMicrosoft Office SharePoint Severを組み込んだものだとMicrosoftの金融サービス部門技術アーキテクト、スティーブ・ビディッチ氏は語る。

 同氏は、このプラットフォームは金融サービス会社でExcelがフロントエンドインタフェースとして普及していることを利用し、それをバックエンド分析エンジンとしてのWindows CCS 2003の拡張性・可用性と組み合わせたと説明する。

 さらに同氏によると、Microsoftは11月に2種の新しいExcel関連製品、2007 Microsoft Officeの一部として「Excel 2007 Client」、Microsoft Office SharePoint Server 2007の一部として「Excel Services」をリリースする。新しいExcel 2007 Clientは、ユーザービリティとパフォーマンスが改善されているという。一方Excel Servicesは中央管理機能とマルチCPU x64サーバのネイティブサポートによる拡張性の向上などを提供する。

 Excel ServicesフロントエンドをWindows CCS 2003と組み合わせることで、Microsoftはさらなるパフォーマンスと拡張性を目指すとビディッチ氏は言う。

 一方、Windows向け分散コンピューティングソリューションを手掛けるDigipedeは、グリッド対応技術に取り組んでいる。

 同社CEO(最高経営責任者)のジョン・パワーズ氏は、同社はHPの業界標準サーバチーム、Microsoft金融サービス部門と協力して、大手金融サービス顧客のニーズにWindows CCSなどのMicrosoft新製品を適応させていると語る。

 これら企業は「クラスタの力、Windows Serverの導入・管理のしやすさ、Digipede Networkのプログラミングのしやすさを組み合わせている」と同氏。

 パワーズ氏は、Microsoft金融サービス部門は「Digipede Networkはクラスタを拡張することでWindows CCSを補完する」ためこの製品に関心を持ち、顧客にこれについて話したと語る。「顧客がCSSクラスタノード、既存のサーバ、活用されていないデスクトップも含めすべてのWindowsリソースを同じグリッドの一部として扱えるようになる」

 例えば、CCSをDigipede Networkと組み合わせると、ユーザーが.NETジョブをCCSクラスタでネイティブに実行できるようになり、クラスタが拡張される。またほかのリソースを利用してクラスタを拡張し、64ビットジョブをCCSに、32ビットジョブをほかのマシンに送り、すべてのジョブを適切なハードに振り分けてクラスタをより有効的に活用し、すべての利用可能なリソースで.NETを実行する。

 Microsoftは6月9日にWindows CCS 2003のRTM(製造工程向けリリース)を発表し、11〜16日まで行われたMicrosoft TechEdの来場者にこれを配布した。

 「Windows CCSはHPCへの参入を意味するバージョンのOSだ」とビディッチ氏。ウォール街のバックエンドシステムはUNIXとLinuxで占められてきたが、「Microsoftとパートナーがその中に入れたら素晴らしい。それが当社が今やっていることだ。ExcelのスプレッドシートをCCSに配布できれば、これまでにないパフォーマンスを達成できる」と同氏は付け加えた。

 さらに同氏は、MicrosoftのHPC向けツールをDigipedeがシンプルにしたと話す。

 「Microsoftはほとんどのことに使える開発ツールを1つだけ持っている。Visual Studioだ」(同氏)

 グリッド技術を活用する.NETアプリケーションの開発者は、Visual StudioとDigipede Networkだけ使えばいいと同氏。「.NETプログラミングモデルでアプリケーションを開発して、Digipedeへのリファレンスを提供すると、コードがグリッド上でシームレスに走る」

 「われわれは.NET開発者がグリッド技術をできるだけ簡単に利用できるようにしようとしている」とDigipedeの副社長ネイサン・トゥルーブラッド氏は言う。「われわれがやっているのは、オブジェクトを作って、それをローカルで動かす代わりにDigipede Networkに送るよう言うことだけだ」

 パワーズ氏は、Digipedeは金融サービスとライフサイエンスという2つの主要市場にフォーカスしていると語る。だが同社は、製造やその他の業界にも顧客がいると同氏は言い添えた。

 「MicrosoftはHPCを大衆にもたらしたい考えだ。われわれはそれを手助けしている」と同氏。「われわれは.NET上に構築している。当社のシステム全体が.NET上に構築されている」

 またMicrosoft担当者は、幾つかの金融会社がExcel 2007とExcel Servicesのβ版をテストしていると語る。

 「Consorzio Operativo Gruppo MPSの銀行部門が現在、モンテカルロシミュレーションを行うために、MicrosoftとAvanadeの支援を受けてWindows CCS 2003を評価しているところだ。Microsoftの技術は実装とスキル活用の点で明らかにアドバンテージになると確信している」とConsorzio Operativo Gruppo MPSのプランニング・戦略開発責任者ピエロ・ポシャンティ氏は声明文で述べている。

 「Windows CCSは、既存のWindowsインフラとより効果的に統合でき、さらに、なじみ深い開発環境により開発者はVisual Studio 2005のフレームでパラレルアプリケーションを書ける。これにより、新たな発見や画期的な発明を促進するHPCソリューションのTCO(総所有コスト)を削減できる」(同氏)

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