スーパーコンピュータメーカーであるCrayのチーフサイエンティストが退社し、Microsoftに入社する予定だ。
バートン・スミス氏は12月7日にCrayを退社し、Microsoftに入社することを11月20日、Crayに表明した。12月7日付でCrayの取締役も退任するという。
Microsoftはハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)に強い関心を抱き始めている。11月初めにシアトルで開催されたSupercomputing 05で、同社はWindows Compute Cluster 2003のβ2を披露した。これは、コンピューティングクラスター向けにジョブスケジュールを行うサーバOSの1種。
スミス氏はTera Computer創設者の1人で、1988年から同社のチーフサイエンティストを務めている。Teraは2000年にSilicon Graphics(SGI)からCray Researchを買収し、自ら社名をCrayと改名した。CrayのWebサイトでは、スミス氏はMTA(Multithreaded Architecture)システム担当のチーフアーキテクトとなっている。
Crayはかつて世界最速のコンピュータの代名詞であった。CrayのプロプライエタリなCPU設計は、コモディティ用マイクロプロセッサのクラスターに取って代わられつつある。直近のTop 500スーパーコンピュータリストを見ると、トップ3はすべてIBM製で、4位と5位はSGIとDellが占めている(11月14日の記事参照)。Crayは最上位が6位で、このほかトップ20中に4システムを送り込んでいる。
Crayはスミス氏の辞任について、米証券取引委員会への定期報告書で明らかにしている。
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