Web2.0的なビジネスをめざせWeb2.0でビジネスはどう変わるか ― その1(2/2 ページ)

» 2006年07月05日 08時00分 公開
[ロビンソン,ITmedia]
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係わることで好機をうかがう

 Web2.0に敏感に反応している人は、どこに魅力を感じているのか。

 魅力の一つとして、客層が非常に広い点を平野氏は挙げる。Web2.0の場合、ゴールが見えなくても使いたいという人が大勢いる。これは、目の前に製品がなくても購入したいというのと同じことだ。潜在的にはインターネットに触っている人は、すべてWeb2.0のユーザーになり得る。ユーザーは双方向のWeb2.0に係わることによって、クリック数に応じた小遣いを稼げる可能性もあるし、自分の存在感を得られるからだ。

 一方、提供する側の観点では、Web2.0的なサイトだと評価されて話題になることによって、ビジネスが大きく成功するかもしれない。

 「切り口によって様々なチャンスがあり得る。提供する側もされる側も、何となく係わっていた方が楽しい、と考えることは悪くないと思います」(平野氏)

オープンソースとWeb2.0

Web2.0を支える技術がいくつかある。スクリプト言語という切り口もあれば、Javaという切り口もある。Javaの対角にはマイクロソフトの「.NET」もある。これらの技術は、今となってはWeb2.0のインフラの鍵を握る構成要素だ。Linuxディストリビュータであるレッドハット社が、オープンソースのアプリケーションサーバベンダーであるJBoss社の買収を発表して話題となったが、レッドハット社もまたWeb2.0を意識していることの表れだと平野氏は指摘する。

 「オープンソース業界もWeb2.0の波に飲み込まれているということです」(平野氏)

 オープンソースの世界にはLAMP(ランプ:Linux、Apache、MySQL、PHP)という4点セットを表す言葉があった。その後、JBossを加えたLAMPJ(ランプ・ジェイ)という言葉も使われるようになった。このうち実際に使えるのはLinuxとApacheの2つと言われてきた。ところがWeb2.0の観点ではそれが逆転する。平野氏は「LAMを取り除いて、PJ(プジェイ)だけを残せばWeb2.0になりますね」と笑う。

Web2.0的企業をめざせ

 平野氏は、ビジネスパーソンもWeb2.0を理解しておく方が良いとアドバイスする。たとえば、自動車を購入するときの基準が、昔は走行性能であったのに対し、現在は安全性や環境に大きくシフトした。同じことがコンピュータの世界でも起こってくるという。スペックの比較ではなく、ユーザーにとって一番良いメッセージを出した会社が選ばれるようになる。それがどんなメッセージなのかは、ユーザーによって異なり、その人にとって嬉しいことがメッセージされるようになる。ただ、そのメッセージはスペックのような中身のことではなく、たとえばサービスだったりする。

 「Web2.0的なネットの世界では情報がきちんと整理され、きちんとしたビジネスが展開できるようになります。決め撃ちができます。それまでは無法地帯だったものが近代国家になるのです」(平野氏)

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